超!高齢時代の組織開発(6)~一体、何歳まで働けるのか~
2016.12.02
ツイート世界はどうなのか?
日本の問題だけで考えていると、視野も狭くなりますので、ここは世界に目を広げてみましょう。人事院が2011年現在で調べたところによると、主要国の定年制については次のようになっています。
アメリカ 定年制なし
イギリス 定年制なし
フランス 65歳(2023年にかけて段階的に67歳に引き上げ)
ドイツ 65歳(2029年にかけて段階的に67歳に引き上げ)
日 本 60歳(定年制廃止、定年制延長、雇用の継続いずれかを義務付け)
そもそも、定年の存在しない国もあります。世界基準では、「働けるのはこの年齢まで」と制度で決めてしまうこと自体がナンセンスであるようです。ご長寿の現役医師で高名な日野原先生は105歳という年齢まで現役を続けておられます。
働けるということは、本人が元気で、働く気を持っていて、身体が働くにあたり十分な身体能力を有していれば、何歳でも働くことができるといえるのではないでしょうか。
そう考えるならば、60歳以降をどのように生きるのか、個人の事情と希望によると言えます。先の日野原先生などは、さぞや高収入を続けていらっしゃるのかと思いきや、85歳以降はボランティアなのだそうで、これもすごいことですが、一つの生き方を示されているということです。
雇用の将来像
それでは、平均寿命をざっくり80歳と区切ると、平均的には、何歳まで働けるでしょうか。晩年の10年は、身体が思うように動けなくなったと仮定すると、70歳という年齢はどうでしょうか。
①定年を65歳に伸ばす(同時に、65歳までの賃金テーブルを作成し、見直す)
②65歳以降は、1年単位の更新にする
結局は、本人が働くことができて、活躍の場がある限り、働くことができるということが理想の状態に思えます。
現実には、認知症などのように、本人が自覚せず判断能力を失っていく場合も想像され、働く側の権利主張だけ強くしていくのには問題がありそうです。
高齢を迎えた65歳以上の雇用は、義務化ではなく、働けるうちは働ける場を提供するという努力義務的な意味合いを持たせると雇用や労働契約の打ち切りまで円満に推移できそうに思えます。国内の景気や労働力の需要、年金の受給状況にも大きく左右されることでしょう。
常に最良を目指して、改革を続けていくしかありません。