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あゝ人材教育!3分ななめ読み

クリティカルシンキング力の強化で、ビジネスシーンごとの最適解を導き出す

2020.02.28

クリティカルシンキング―批判的思考が必要な理由

「原因分析を行って、しかるべき対策も講じているのに、いっこうに状況が改善しない」、このような場面で威力を発するのが、世界標準のビジネススキルである「クリティカルシンキング」です。

このクリティカルシンキング力を身に付けて、ビジネスシーンごとに異なる最適解を導き出せるかどうかが、効果を最大化するカギを握っています。裏を返せば、クリティカルシンキングができないと、表面上の事象に囚われて問題の本質が見抜けず、最適解を得られないまま、手詰まり感の無限ループから抜け出せなくなるのです。

意識的にクリティカルシンキングを実践する必要性

「思考力」より「暗記力」が評価されてきた従来型の日本の教育現場では、基本的にクリティカルシンキング力が培われることはありません。小学生の頃からクリティカルシンキングを意識した学習が行われている米国とは対照的です。

現代社会は変化のスピードが著しく速く、今ある常識が非常識や時代遅れになる事例も多く見られます。

一般的な日本型教育を受けた人がビジネス社会で期待どおりの効果や実績を上げるには、物事の本質を見極めるための思考力、「クリティカルシンキング」を積極的に身に付けて、実践する必要があるでしょう。

ビジネスパーソンとして実績を積み上げてきた人にとっても、それまでの思考や発想が固定化あるいは劣化していないかを再確認するために、クリティカルシンキング力は不可欠です。

クリティカルシンキングを再認識する―必ず押さえたい3大基本姿勢

本項では、「クリティカルシンキング」という思考法について、改めて確認しておきましょう。

クリティカルシンキングによる思考法は、目の前の事象をそのまま受け入れるのではなく、それが「そもそも正しいのか」と疑問を投げかけて、批判的な視点に立って客観的判断を下すことです。

このクリティカルシンキングのスキルをビジネスシーンで活かすには、スキルを駆使しようとする人に、土台となるクリティカルシンキング的なものの見方や心構えが備わっている必要があります。

クリティカルシンキング学習のスタンダード『グロービスMBAクリティカル・シンキング 改訂3版』(著者:グロービス経営大学院、出版社:ダイヤモンド社、初版:2012年)では、序章で「クリティカル・シンキングの3つの基本姿勢」が、以下のように定義付けられています。

  • 目的は何かを常に意識する
  • 自他に思考の癖があることを前提に考える
  • 問い続ける

常日頃から3つの基本姿勢を意識して、いざ問題解決が必要な事態に直面した時に、自然にクリティカルシンキングを実践できる体制を整えておくわけです。

目的は何かを常に意識する

目の前の事象や問題だけに着目して、解決または改善しようとするのではなく、本来の目的、
つまり物事の本質が何であるかを常に顧みることが重要です。

自他に思考の癖があることを前提に考える

個々の経験や価値観、性格などに違いがあるため、人にはそれぞれ独特の思考や思い込みがあります。こうした思考の癖があることを踏まえて、状況を客観的に判断する必要があります。

問い続ける

問題が解決した時点で終わりにしないで、その後も「もっと効率的な方法はないのか」、「問題をもっと早く検出することはできないか」などと、自問自答するべきです。

これが次のチャンスや、さらなる問題点の表出、そして自身の思考力強化につながります。

クリティカルシンキング実践のためのポイント

現場で実際にクリティカルシンキングを実践するには、いくつかの点に注意しながら、以下の手順で進めるとよいでしょう。

① 本来の目的を確認する

見えている事象だけにとどまっていると、物事の本質を見失ってしまいます。客観的な視点で、本来の目的や目標を再確認します。

② 論理的に現状を分析する

ロジカルシンキング(論理的思考)のスキルを活用して、目の前の事象を整理して、論理的に分析し、解決策を導き出します。この時点で、短絡的に結論付けることは避けます。

③ 課題を洗い出す

再確認した本来の目的や目標(①)と、②で導き出した解決策とを比較して、本質的な問題や課題を洗い出します。この時、感情論や概念的な論理展開、確証のない根拠などを排除して、可能な限り客観的に原因分析などを行います。

④ 解決策を導き出して、実行に移す

本来の目的や目標に向けての具体的な解決策を導き出して、優先順位の高いものから実行に移していきます。その後も、解決策に対して、クリティカルシンキングの視点から継続的に疑問を投げかける姿勢が求められます。

「詰めの甘さ」はクリティカルシンキングの徹底で改善できる

さまざまなビジネスシーンで十分な効果を上げられない人には、目の前の事象に疑問を感じることなく、そのまま受け入れてしまう傾向があります。

そんな場合には、真っ先に日頃の姿勢と思考法を見直して、クリティカルシンキング力を強化するとよいでしょう。クリティカルシンキングがあらゆる場面で徹底的に実践されることで、しかるべき最適解を導き出せるようになるはずです。

 

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