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人材教育用語【ア行:インシデントプロセス】

2015.06.11

【ア行:インシデントプロセス】
情報収集や分析力などの能力開発技法として使われる事例演習の一つ。事例の象徴的な出来事について質問をしながら概要を明らかにし、原因と対策を考えていく。マサチューセッツ工科大学教授ポール・ピゴーズ、フェイス・ピゴーズ夫妻が考案。管理者研修に組み込まれることが多い。

 

研修におけるケーススタディは、
受講者の階層やテーマ、又は研修を主催する企業の業種に合わせて研修会社が事例を提供します。
内容は、フィクションの場合もありますし、その企業で起きた実際の出来事の場合もあるでしょう。
又、ケーススタディは、研修の受講者が、事例に登場する「組織」や「人物」の仕組み・立場に立ち、問題解決をしていきます。
よって事例には、背後の事実関係を記載する必要があります。
当然ですが、受講者はこの背後の事実関係を読み解き、理解しなければなりません。
研修時間は有限なので、ちょっと時間がもったいない。

インシデントプロセスはケーススタディの一つですが、受講者に事例の背景を伝えない点が一般的なそれとは異なります。
実施時は、重大なアクシデントに成り得る“小さな出来事”のみを受講者に提示します。
受講者は、質問をしながらその背景や概要を明らかにしていくのです。
この方法だと、自ずと問題の根本原因に迫っていくことになり、
この過程を経て、受講者は問題解決法の原理原則を学んでいくのです。

面白いなと思うのは、
質問者の興味関心や考え方の違いによって、オープンになっていく事例概要の順序や広がりが変化する事です。
根本的な対策を求めるメソッドなので、ほとんどのチームが同じ結論を導き出すのですが、
なかには「おや」と思う解決法が見つかることがあります。
これは、事例の背景を予め提供する、一般的なケーススタディではあまり見られないことです。
企業で起きる“問題”は、仕事や組織の仕組みに原因があるわけですが、
観る人によって、問題の本質も違っているということです。
これは、単にダイバーシティの範疇というのではなく、
そうした人は斬新で攻撃的な組織のつくり方を知っているのかもしれないと思うのです。

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