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あゝ人材教育!3分ななめ読み

実施率2位‼企業にとって新入社員フォロー研修は不可避な研修!?

2015.06.12

気がつけば6月。日々の移ろいは早い、ビックリだ。
研修会社としては、今年入社の新入社員を対象としたフォロー研修に向けて、企業と打合せをする頃だ。
新入社員研修は、受講者が抱える希望も不安もすべてが初々しく真っさら、登壇する講師は人にモノを教える責任感に身の引き締まる思いになる。フォロー研修では、多くの場合、4月の講師が再度登壇することになるが、講師自身の成果とも言える新入社員たちの様子・立ち居振る舞いは気になる所だろう。

ある教育機関が実施した階層別研修実施率の調査では、1位が新入社員研修で約90%、そして実施率2位なのが新入社員フォロー研修で約70%という結果が出ている。多くの企業が新入社員フォロー研修を不可避な研修と位置付けていることがわかる。このフォロー研修、9月ないし10月に行うことが多い。劇的な環境変化を受容しながらの入社半年。仕事の一部は任されはじめる。いわゆる知識だった“社会人としての責任”を実際に体感するようになっており、否応なしに当事者としての自分に気づく。OJTが計画的に進んでいれば、付きっきりで丁寧に教えてくれていた先輩も、意識的にスタンスをかえる頃だろう。

彼らは成長過程にあり、着実に仕事を身につけている。職場の仲間はそんな彼らを嬉しく、ほほえましい気持ちで見守っているはずだ。しかし、本人はどうだろうか。「仕事が思うようにはかどらない」「もう先輩を頼り過ぎてはいけない」などスキル不足や、コミュケーションのとり方で悩んではいないだろうか。そう、毎日の仕事のすべてに“相手”がある事に疲れ、社会人になって初めての壁にぶつかるのが、新入社員フォロー研修が行われるこの秋口なのである。

誰もが経験する通過儀礼的な壁ではあるが、退職を考える新入社員もいるほどに深刻だ。昭和な話しで恐縮だが、かつては悩んでいそうな新入社員がいれば先輩が居酒屋で話を聞いてくれた。飲みにケーションなんて言葉もなかった時代だ。そうした場では、先輩が自分をどう見てくれているかが分かる上に、期待してもらい頼りにもされている自分を教えてもらえた。酔った力で加減なく肩をバンバンたたかれて、「がんばれ」と声をかけられては、悩み多き新入社員も明日から前向きに取り組むしかなかったものだ。ところが、最近では職場のメンバーで仕事終わりに食事をすることも少なくなった。パワハラやセクハラになりかねず、先輩も誘いにくいし、後輩も躊躇なく酒席を辞退する。男女の区別なく働くようになり欧米の個人主義も経験して、日本なりに個人と会社の付き合い方を変化させた結果だろう。生活面でも精神面でもかつてのように会社に寄ってはいないのである。

さて、新入社員フォロー研修受講後に多く見られる受講者の感想は次の3点だ。

1.打ち明けられなかった悩みを、前向きに考えられるようになった。
2.同期の仲間がみんな同じように悩んでいることが分かり気が楽になった。
3.不満があり、やり切れない思いがあったが主体的に考えられるようになった。

これらは代表的な意見と言ってよく、どの企業で研修を実施しても挙ってくるものだ。三様に普段から悩みを抱えていることが分かるし、フォロー研修以前に相談する場がなかったことも伺える。多くの企業がフォロー研修を重視する理由がよく分かる。

抱える不安は人それぞれで、前向きなもの後ろ向きなもの色々あるが、業務に支障をきたすようではよろしくない。社会人が経験する壁は、彼らが今まで乗り越えてきたものとは異質なものである。“知らない”ことへの苦手意識が極端に強い彼らだ、私たちが思うより遙かにダメージが大きい。

では、新入社員フォロー研修のプログラムはどうあるべきか。それは、“自らを律し、自身の存在を見失わない”ように導くことであるように思う。新入社員は「仕事の能力」「職場の人間関係」「理想と現実の違い」などの悩みや不満を抱える。しかし、最近の新入社員の傾向として、悩んでいることが知れるのを良しとしない。そうなると相談する術もなく負の思考にはまってしまう。だから、研修では彼らを“承認”する項目があることが望ましい。

フォロー研修カリキュラムに『半年間の振り返り』が必ず含まれるのは、彼らに一歩一歩の成長を自覚してもらう意味が含まれている。人は自分の成長にはなかなか気づかないものだ。Off-JTはその絶好の機会だ。また、社会人としての日々に圧倒され、他責思考に陥っている新入社員は多い。私たちは他責から自責へ、彼ら自身が出発点となり職場環境を変えればよいことに気づかせる必要がある。あるいはモノの捉え方が変わるように促す。

入社一年目。彼らは人生の大切な瞬間を過ごしている。自分自身を悲観せず、甘やかさず、能動的に気持ちを立て直す。 ―研修が彼らにできること。

あ、それと“上司のビジネスマナーが悪い”なんていうのも理想と現実のギャップに含まれるので、
上司先輩の皆様どうぞよろしく。

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