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HRD用語【ウェルビーイング】

2021.10.06

【ウェルビーイング】

ウェルビーイングとは、日本語ではしばしば「幸福」と翻訳されます。精神的・身体的・社会的に健康・健全である状態を指し、満たされている状態を指します。

 

1946年、「世界保健機関(WHO)憲章」で提唱された概念で、「世界保健機関(WHO)憲章」の前文では以下のように記載されています。

Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.

健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが 満たされた状態にあることをいいます。(日本語訳)

※引用:公益社団法人日本WHO協会「世界保健機関(WHO)憲章とは」

ing」という進行形が示すように、瞬間的な幸福ではなく、持続的な幸福が該当するとされています。

ウェルビーイングが注目される背景

概念としては長く存在するウェルビーイングですが、近年急速に注目が集まっています。

SDGsの影響

持続可能な開発目標を意味するSDGsにおいて、ウェルビーイングへの言及がされています。

20159月に国際目標として採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載されており、2016年から2030年にかけて目標達成することが目指されています。

17のゴールと169のターゲットの中に、「GOOD HEALTH AND WELL-BEING」が含まれており、世界規模で注目されていることが分かります。

働き方改革の推進

これまで、世界の中では労働市場主義とされてきた日本において、テレワークや遠方居住による勤務、さらには会社に属さない働き方が広く認められるようになるなど、社会の価値観が大きく変化しています。

様々な働き方が容認される一方で、自宅にて一人で業務を行う機会の増加やコミュニケーション不足など、様々な問題も生じています。これらを解消する考え方として、ウェルビーイングが広がっています。

また、働き方改革として実践が推奨される項目も、ウェルビーイングが意識された内容となっています。

  • 同一労働賃金など非正規雇用の処遇改善
  • 賃金引き上げと労働生産性の向上
  • 時間外労働の上限規則の在り方など長時間労働の是正
  • 雇用吸収力の高い産業への転職・再就職支援、人材育成、格差を固定化させない教育問題
  • テレワーク、副業・兼業といった柔軟な働き方
  • 働き方に中立的な社会保障制度・税制など女性・若者が活躍しやすい環境整備
  • 高齢者の就業促進
  • 病気の治療、そして子育て・介護と仕事の両立
  • 外国人材の受け入れ問題

引用:働き方改革実行計画(概要)

https://www.kantei.go.jp/jp/headline/pdf/20170328/05.pdf

これらを実践する根底には、ウェルビーイングの概念が重要なのです。

新型コロナウイルス感染症の影響

新型コロナウイルス感染症も、ウェルビーイングが注目される要因のひとつです。

日常生活が大きく変化し、人と接触しない日々も日常的なものとなりました。その中で心に病を抱える人が増えており、改めてウェルビーイングの概念が注目されています。

経営とウェルビーイング

「ウェルビーイング経営」という言葉が徐々に広がり、経営においてもウェルビーイングを取り入れる企業が増えています。企業に関わる全てのステークホルダーがウェルビーイング、すなわち幸福であることを目指した経営方針を立てることで、幸福な状態で社員が働くことができるようにすることが目指されています。

日本の幸福度は世界的に見ても低いとされており、1日の時間の大半を占める仕事とウェルビーイングには、切り離せない関係性があります。

日々の仕事を前向きに取り組む環境づくりの一環として、ウェルビーイングを経営方針に取り入れることは、今後どんどん加速していきそうです。

 

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