コラムは、書き手の分析や意見が反映された記事です。近年、企業サイトでのコラム掲載が増えており、ブランド価値の向上やファンの獲得につながるなど、多くのメリットが期待されています。そのため、業務の一環としてコラムを執筆する機会も増えてきています。
しかし、コラムには正解がないため、「どのように書けば良いか」と悩む人も少なくありません。そこで本稿では、これまでコラムを書いたことのない方でも簡単にマネできる、上手にコラムを書く方法を「作成前」「作成中」「作成後」の3つのステップに分けて解説します。
まず「作成前」では、テーマの設定や読者の設定、情報収集などの準備作業について詳しく説明します。次に「作成中」では、導入部の工夫や展開の仕方、結論の導き出し方など、実際の執筆ステップを丁寧に解説します。最後に「作成後」では、校正やプロモーションなど、コラム完成後の取り組みについて提案します。
コラムは、企業にとってブランディングや集客に大きな効果を発揮する重要なコンテンツです。この機会に、コラム作成のノウハウを身につけて、自社のプレゼンス向上につなげていきましょう。
作成前
文章を作成する際には、事前に内容を十分に検討し、明確な方向性を定めておくことが極めて重要です。事前の準備を欠いたままでは、方向性が定まらず、何度も手直しを余儀なくされることになり、結果として無駄な時間と労力を費やしてしまうことになります。したがって、文章作成に取り掛かる前に、しっかりとした準備を行うことが肝心だと言えるでしょう。具体的には、文章の目的や意図、伝えたい内容、構成などについて、十分に検討を重ね、明確なイメージを持っておくことが不可欠です。このような事前の準備を怠ると、作業の効率が大幅に低下し、作成に要する時間も長引くことになりかねません。したがって、文章を作成する際には、必ず事前に内容の検討を行い、方向性を固めておくことが賢明であると言えるでしょう。
構成を考えること
効果的な文章構造を持つコラムは、読者にとって非常に重要です。論理的な構成を持つことで、読者の理解を深め、より明確なメッセージを伝えることができます。そのためには、適切な「型」を活用することが有効です。
具体的には、文書の流れを明確にするために、様々な論理的な型を活用することができます。たとえば、問題提起から解決策までの流れを示すなど、読者の思考に沿った構成を心がけることで、より論理的で読みやすい文章を作成することができます。論理的な文書構成の「型」をいくつか列挙しますので、参考にしてみてください。
これらの「型」を参考に、コラムの構成を工夫することで、読者にとって分かりやすく、説得力のある内容を提供することができるでしょう。論理的な文章構造は、効果的なコミュニケーションを実現するための重要な要素といえます。
◇起承転結型
起(導入)」→「承(テーマ概要)」→「転(意見や根拠の提示)」→「結(結論)」
◇序破急型
序(導入)→破(展開、根拠やエピソード)→急(結論)
◇PREP法
Point(結論)→ Reason(根拠/理由)→ Example(具体例)→ Point(結論)
ターゲット/目的/タイトル・見出しを決めること
コラムを作成する際は、まず「誰に向けてどのような内容を提供するのか」を明確にすることが不可欠です。この点が定まっていないと、執筆の過程で主旨がずれ、結果として読者に意図が正しく伝わらない文章になる可能性があります。
効果的なコラムを書くには、事前に「ターゲット」、「目的」、「タイトル・見出し」を慎重に検討する必要があります。「どのような目的で、誰に対してどのようなことを伝えたいのか」が明確になれば、読者にとって有意義で分かりやすい内容になるはずです。
さらに、タイトルや見出しに具体的な数値を盛り込んだり、問いかけ形式を採用することで、読者の関心を一層引き付けることができます。これらの工夫により、コラムの魅力と訴求力を高めることができるでしょう。
情報を集めてから執筆に集中すること
コラム作成時には、執筆と情報収集を並行して行うことが一般的です。しかしながら、この2つの作業を同時に行うと、集中力が途切れやすくなるのが問題点です。
そのため、まず情報収集を行い、その後に執筆に注力することをおすすめします。この方法であれば、集中力を維持しつつ、効率的にコラムを作成することができます。情報収集の際は、必要な情報をしっかりとメモしておくことが重要です。メモを取ることで、頭の中が整理され、その情報をもとに執筆を円滑に進めることができるでしょう。
このように、情報収集と執筆を分けて行うことで、集中力の維持と作業の効率化が図れます。コラム作成の際は、ぜひこの方法を活用してみてください。
作成中
本文執筆する段階に移りましょう。この段階では、コラムの構成に関する明確なイメージが既に形成されていることを前提としています。本文の執筆に際しては、何よりも読者目線に立つことが肝要です。読者の立場に立って考え、分かりやすい言葉遣いと表現方法を心がけることが重要です。読者が容易に理解できるよう、専門用語の使用は控えめにし、平易な語彙を選んで丁寧に説明することが求められます。また、読者の関心事や疑問点を意識しながら、読者の理解を深めるような構成と展開を心がける必要があります。このように、読者目線に立って分かりやすい文章を書き上げることが、本文執筆の鍵を握るといえるでしょう。
いくら内容が良いものだとしても、難しい言葉や表現が多い文章だとそもそも読まないという方も多いのではないでしょうか。
以前、あるIT企業の社長あいさつが話題になったことがありました。
"今、IT業界は革命の時代に突入しています。
2000年初頭に起こったパラダイムシフトにより様々なキャズムが取り払われ、各社のコアコンピタンスがコモディティ化された結果、先の見えない不況が我々の眼前に覆いかぶさってきています。LIGは自社の強みでもあるファクトベースにおけるブルーオーシャン戦略、いわゆるボトルネックを排除したベネフィット創出事業にフルコミットする事で、安定的な成長を続けています。"
※株式会社LIG 第8期代表あいさつ より引用
これは意識高い系社長にありがちな挨拶ということで、意図的に作成された文章とのことですが、案外私たちも無意識に同じことをやってしまいがちです。多くの読者に読んでもらえる文書を作成するためには、普段の生活で使われている言葉を選ぶなど、分かりやすく書くことが必要不可欠だということが伝わる例文(名文?)ですね。
作成後
コラムの完成度を高めるには、慎重な見直しが不可欠です。まずは、誤字脱字がないかしっかりとチェックしましょう。また、前後の内容に矛盾はないか、不要な部分はないか、読者にとって分かりづらい箇所はないかなど、客観的な視点から吟味する必要があります。
しかしながら、自分で書いた文章を客観的に評価するのは難しいものです。そのため、周囲の人に協力を求めて、第三者の目線でチェックしてもらうのがおすすめです。これにより、見落としていた点を発見できるでしょう。
コラム作成の際は、ぜひこうした見直しのプロセスを踏んでいただきたいと思います。自分では気づきにくい問題点を洗い出し、最終的な完成度を高めることができるはずです。読者の皆様に分かりやすく、質の高いコンテンツをお届けできるよう、丁寧な仕上がりを心がけましょう。
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