社員研修が成功する講師の選び方
2016.03.29
ツイート社員研修を行うのに欠かせないのは講師の存在です。あなた自身が研修を受けた記憶を思い起こしてみれば、内容もしかりですが講師の善し悪しは研修結果を左右するものです。
そこで社員研修を成功させるための講師の選び方について考えていきましょう。
社員研修における講師の役目
学生時代を思い返してみて下さい。好きな教科というのはその教科を教える先生が好きだったから、おもしろかったからではないでしょうか?逆に嫌いな先生の授業はつまらなく好きになれないものですよね。
これは大人になっても同じことが言えるでしょうし、誰が講師なのかということは非常に重要です。全く同じ内容の研修を行ったとしても、誰が講師をするかで研修を受ける社員のモチベーションや結果は格段に異なってきます。また特に新入社員研修などの場合は、その社員研修の講師が行う研修内容で、彼らの今後がある程度決まるといっても過言ではありません。また場合によっては、研修後早期退職を申し出るケースもあるなど、人材喪失のリスクを伴う危険性もある為、慎重に行う必要があります。
ではここで、社員研修を成功に導く講師の主な3つのタイプをご紹介します。
3つの講師タイプ
1. 感情揺さぶり型
社員研修を成功させるには、受講者のモチベーションが高い必要があります。そのためには、研修の目的や必要性を理解して主体的に受講してもらうのが一番ですが、全ての対象者がそうあるとは限りません。そこで、力を発揮するのが感情揺さぶり型の講師です。早い段階で主体性を引き出すには、受講者の感情を揺さぶらなければなりませんが、その取り組みにおいて、講師の技量と魅力が不十分だと研修結果は惨憺たるものになります。感情揺さぶり型の講師として絶対的な評価のある方ほど、講義内容の正確さ、視野の広いフィードバック、立ち居振舞いの美しさがあるものです。その上で、受講者の問題に大きく踏み込み、そして必ず強みを見出して承認をします。時には受講者と同じ目線で考えて、目標を共有することもあるでしょう。ポイントは、受講者に課題の有無を認識させ、その解決が可能なことを伝えることと言えます。
2. 論理的コンサル型
実務的な結果を出せる講師や、論理的なファシリテーションができる講師です。このタイプの講師は、職場の実務に沿った課題解決が必要な際に登壇してもらうと効果が上がります。専門的な組織の所属あるいはOBの方も多く、前者の感動提供型講師とは異なり、受講者の感情より課題そのものに知的探求心が働く講師も多いかもしれません。そのため、受講者へのアプローチはシンプルで、すべては問題点の解決をハブとして、動機づけや現状把握、課題の構築、解決と進んでいきます。また、具体的な問題がテーマとなった研修は、一般論ではなく職場独自の要因分析が求められます。そこで論理的コンサル型講師の手法にロジックツリーをベースとしたファシリテーションがとられることが多いのです。受講者自らが考え、問題要因を洗い出すには、このファシリテーション能力の高さが必須なのです。ポイントは、受講者を巻き込んで要因分析をし、課題の実務的な解決方法を見出すことと言えます。
3. マニュアル忠実型
手挙げ式の研修に登壇するとき講師はマニュアル忠実型に徹する場合があります。マニュアル忠実型とは、受講者の習得レベルに柔軟に対応しながら、インストラクションマニュアルに忠実に講義を進めることができるということです。このコラムを読まれている方のなかには、受講者の動機づけや具体的な課題解決が不得手なのでは、と思われた方もいるかもしれません。しかし、マニュアル忠実型を得意とされる講師は、明解で誰にでも分かりやすい講義を信条とし、またそれを実践している方です。企業が手挙げ式の研修を企画するとき、受講後の社員に何を期待しているのか。それは、知識の底上げとスキル習得ではないでしょうか。このとき、感情揺さぶり型講師や論理的コンサル型講師が相応しない場合があるのです。ポイントは、伝えるべき知識を明解に分かりやすく、です。
講師選びで欠かせない事
このように講師を選ぶ際は、その研修内容によって講師のタイプも選んでいく必要があります。一言に社員研修とはいっても、仕事の業務に直結した作業や知識を学ぶものと、新入社員研修や管理職研修といった立場や役割について学ぶものがあります。誰に何を身につけさせる為の研修なのかによって、講師を選ぶ基準がおのずと変わってきます。
そこで、まずは研修の目的が何であるかということを明確にし、その目的を果たすのに最適な講師は誰かという基準で選ぶようにしましょう。また、講師を依頼する際は研修の目的を明確に伝えるだけでなく、十分に理解してもらう必要があります。