2018.01.06

講師として成功する人、失敗する人

あゝ人材教育!3分ななめ読み

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ヒップスターゲートでは今までに、たくさんの研修講師の方とお会いする機会があった。
まだ若い駆出しの方から、多くの経験を経たベテランの講師まで様々である。
今、弊社でお付き合いのある講師は、どなたも明るく勉強熱心で、人として尊敬できる方ばかりだ。

研修業界に足を踏み入れると、誰もが一度は講師を目指してみようと考えるものだ。
その考えは一瞬だけ頭をよぎる程度から、実際に勉強をはじめる本格的な思いまで、その質感はそれぞれだ。
しかし勉強を始めたからといって、誰もが研修講師として成功できるわけではない。

研修講師はものを教える点で教員と似ている。両者とも高い知識と技術を得るために、多くの時間とコストを費やして学んでいる。
この事に誰も異論はないだろう。日々刷新される情報や新しい研究分野を自分事ととらえる覚悟は、教える立場の責任感と、講師や教員を目指した者に元来備わった好奇心や向学心によるものだろう。

担当クラスの生徒と数年をともにする教員は持久走である。彼らはただ知識を提供するだけでなく学生の人格形成に関与する。
教科書の教えを基盤として様々な角度から人を育てる側面は大きな責務だ。
研修講師は短距離走である。限られた時間で目的に達する必要がある。社会人の受講者には時間がない。たった今、活かせる知識と知恵を学びに研修会場に来ている。よって、研修講師の仕事は、その場で完結する高いレベルが期待され、整然とした講義が求められる。

さて、研修講師の立場だが、これがとても難しい。なぜなら講師の周囲は顧客だらけだからだ。研修会社との間でさえ商取引があり、講師にとって我々は顧客である。そうして視線を先に進めると研修受講者も顧客と言えるが、それでいて講師は“先生”でもあるのだ。
この“先生”という言葉には罠がある。自身を上に立つ者と過信すれば人間として足元をすくわれる。しかし、自信のない物言いや振る舞いでは人はついてこない。まるでリーダーの心得のようだが研修講師も同様だ。

研修講師は短距離走であるが故に、直球の誠実さが求められ、また魅力的な人となりが必要なのだ。

もう一つの顧客。それは研修の対象企業である。企業担当者の心眼は鋭い。人材戦略は重要な企業戦略である。
よって企画する研修は企業目標実現の布石であり、研修の一つひとつが意味するところは大きい。
担当者にとって、研修が成功するか否かは我々が想像する以上に切実な問題だと思う。研修には必ず目的があるが、研修に携わる者はその広義も狭義も理解しなければならない。
分かりやすい例では、新入社員研修で電話応対のKnow-howを伝えつつ、受講者に組織の一員としての自覚を持たせるというものだ。
更に、昇任・昇格のためのアセスメント研修のように、表面上はマネジメント手法研修のかたちをとりながら、本来の目的は受講者評価という場合もある。新入社員研修の電話応対のように段落的な広義-狭義の関係ではないが、講師は、正確な評価を行える環境づくりと受講者や人事担当者が置かれている状況への理解が必要となる。

ヒップスターゲートが考える理想の研修講師像とは?

上昇志向があり、勤勉家で好奇心旺盛。思いやりがあり謙虚でかつ自信に満ち、鋭い観察眼を持つ。

そんな人物がいるだろうかと思う方も多いだろう。書きながら少し笑ってしまったが、あらためて思い起こすと弊社が研修に登壇していただく講師陣はこんな感じかもしれない。もちろん、個性があり強みは異なる。人間らしさも見え隠れするが、それはかえって特長となり企業とのマッチングに効力として発揮されている。

現代、いずれの職業に就いても緊張の日々が繰り返される。情報の速度は我々に立ち止まることを許さない。
受講者も企業も研修会社も研修講師も同じ環境に生きているのだ。
今、求められること。
今、伝えるべきこと。
それらが何故、今、必要とされるのか。
視野の広さと鋭敏な感覚が成功者の共通点だ。

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