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HRD用語【経験学習モデル】

2015.06.23

【経験学習モデル】

実際の経験から学ぶことを経験学習と言い、組織行動学者デービッド・コルブが定義した、経験学習は「経験」→「査察」→「概念化」→「実践」の4段階のサイクルから成るとした理論を「経験学習モデル」と呼ぶ。

 

ヒトに限らず動植物は経験から学びます。
生物学的な「反応」とも言えますが、生きる為に強く賢くなっていくものです。
特に種の保存という崇高な目的がある時、一つの経験が重要な情報となって蓄積されていくのでしょう。
ヒトにとっても、経験は大切な情報です。
「熱い」「痛い」「冷たい」などの危機的感覚は、太古の昔、ホモサピエンスとして歩き始めるずっと前から、
経験学習によって確立されてきました。

私たちは、経験が大切だという事を知っています。
机上論という言葉があるように、尤もらしい理論を述べるだけの人より、
現場で叩き上げた体験を背景に論じる人の方が信頼できるものです。
何せ、事件は会議室で起きてない、現場で起きているのですからね。
目で見て手に取って、実際にモノゴトに触れた感覚は、教科書で学ぶより生き生きと確か。
「百聞は一見にしかず」です。

さて、つい“経験”に焦点が向きましたが、人材育成領域で大切なのは、
4段階サイクルでいう、「査察」「概念化」「実践」なのは言うまでもありません。
この中で私が最も重要だと思うのが「査察」、いわゆる“振り返り”です。
私たちは研修プログラムを提供している訳ですが、これに欠かせないのが「振返りの時間」です。
「研修を受講して」あるいは「入社1年を振り返って」学びや気付きを整理します。

実はこの“振り返り”にも、上手い方とそうでない方がいます。
多くの場合、上手い方は多角度から自分を分析しています。
例えば、始点と終点での変化や、今後のキャリアに活用できるか、また、何に共感し、しなかったのか。など。
逆に、学んだことをリスト化しようとすると効果的な振り返りはできません。
ではこの両者の差は何でしょう。

ここからは、私の経験です。
さきほど、「査察」=振り返りが最も重要だと思う、と言いました。
けれど、その前段である「経験」の仕方は、それ以上に意味を持つように思います。
つまり、「目的を意識して経験しているか」という事です。
出社して1日を漫然と過ごしていては勿体無い。
今、自分は何を学べているかを意識することで、効果的な「査察」が可能になります。
振返りの上手い下手は、この差ではないでしょうか。

生物学的“ヒト”とは違い、“人間”である私たちには何かしらの目的があるはずです。
人間らしくいきましょう。


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