就職活動が長期化する中、人事担当者が不安を抱えるのは内定辞退ではないでしょうか。早くに内定承諾をしてもらえると嬉しいものの、入社するまで不安はつきまとうものです。
今回はそんな不安を払拭することにも繋がる、内定者のエンゲージメントの高め方をご紹介します。
辞退理由からの施策検討は危険
エンゲージメント向上策を検討する際に、多くの人事担当者は内定辞退者にヒアリングするなどし、辞退理由の把握から行うのではないでしょうか。最適解に見えるこの方法は、実はとても危険です。
なぜなら内定辞退者の理由には、企業が改善できるものとそうでないものが混在している可能性が高いためです。条件や知名度、採用人数などといった条件面が出てくる可能性が高く、エンゲージメント向上策には繋がりにくいでしょう。また、ネガティブな理由に引っ張られることで、既に入社へのエンゲージメントが高い内定者の意思を蔑ろにしてしまう可能性があります。
理由自体をヒアリングすることは悪いことではありません。ただし、内定辞退を防止する策を検討することはできても、既にいる内定者のエンゲージメント向上には繋がりにくいことを踏まえ、適切に必要情報を判断することが大切です。
エンゲージメントを高める方法
では、どのように内定者のエンゲージメントを高めていくと良いのでしょうか。
優秀な人と一緒に働けることを伝える
内定者のエンゲージメントを高めるために有効なのは、「優秀な人と一緒に働くことができる」と伝えることです。もちろん人事が口頭で伝えるのではありません。間接的に優秀な人がいると感じてもらえるよう、施策として実行します。
内定者懇親会を実施する
まず有効なのは、内定者懇親会を実施することです。一緒に働く仲間となる同期がどのような人物か、気になる内定者はたくさんいます。その中で内定者懇親会を通じて、同期の中に優秀な人物がいることが分かれば、エンゲージメント向上に直結します。
同期は仲間となるだけでなく、ライバルとして位置づけられる場合もあるでしょう。その場合にも、優秀な同期はやる気を焚きつける理由としては十分です。成果を出したい、実力を伸ばしたいと望む内定者にとって、優秀な同期はエンゲージメント向上に直結します。
また、内定者同士のつながりをつくることができるのも内定者懇親会の魅力です。人事の手を介さず内定者同士が繋がることで、入社までの期待感を自分たちで高めてくれることにも繋がるでしょう。
社員との懇親会を実施する
同期となる内定者だけではなく、社員との懇親会も有効です。若手の中で優秀な社員や、職種ごとに優秀な社員をアサインして実施する懇親会は、内定者にとってエンゲージメント向上につながりやすい施策です。
「この人と一緒に働いてみたい」「この人から色々学びたい」といった欲求は、入社後の期待感、すなわち内定者期間中のエンゲージメント向上に直結します。
アサインする社員の選択が肝となりますが、社内への内定者周知を兼ねて、実施を計画してみるのはいかがでしょうか。
社会人体験をしてもらう
内定者にとって、社会人は近いようで遠い存在です。学生生活とは全く異なる世界は、眩しく見える内定者がたくさんいます。そこで、疑似社会人体験のように、社会人だからこそ実施できる内容を体験してもらうことが有効です。
社内イベントに参加してもらう
社員総会や季節ごとのイベントなど、イベントごとに内定者に参加してもらうことで、社会人のような体験をしてもらう方法があります。いきなり社員と同様の体験は難しいですが、1日だけのイベントごとであれば人事担当者の負担も軽く、内定者をアサインしやすいといます。
表彰などの場があれば、「自分もあの場所で表彰されたい」という思いがエンゲージメント向上に繋がる可能性があります。
自社の雰囲気を伝えることで、多くの社員との接点を持つことができる社内イベントは、エンゲージメント向上にぴったりの場と言えるでしょう。
内定者目線でエンゲージメント向上に努めることが大切
様々な施策をご紹介しましたが、大切なのは内定者目線に立ち、本当にエンゲージメント向上につながるかを検討することです。
様々な手法を試しながら内定者にヒアリングするなどし、内定辞退を防止するだけでなく、入社への期待が高まるような工夫をしていきましょう。
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