ダイバーシティ・マネジメントにおける採用と教育
2019.09.20
ツイートダイバーシティとは
近年、頻繁に耳にするようになったダイバーシティ。これは直訳すると多様性のことを指します。以前は、社会的マイノリティに対してネガティブなイメージを持っていた方も多いのではないでしょか。一方で現在は、社会的マイノリティへの認知も進み、むしろマイノリティであるが故の個人の強みを活用する企業も多く出てきています。
個人に対するダイバーシティであれば、例えば多動症や注意欠如の傾向があるADHA。この症状があると診断された方は、集中力が散漫になる一方で、集中できる物事であれば非常に高いパフォーマンスを発揮することができると知られています。
また、人材マネジメントの分野におけるダイバーシティは、雇用機会の均等や多様性のある働き方のことを指します。社会的マイノリティに加え、出産などライフスタイルにおける一種のターニングポイントがある女性の採用、定年退職したシニア層の活用などが挙げられます。以前であれば、出産によって継続的に仕事ができなくなってしまう場合、次の就職先を見つけることが困難になることもありました。確かに、雇用する企業側からすれば一度離れてしまった労働者を再度雇うのは時間も手間も発生するので一種のコストと思われていたのも事実です。
しかし、将来的な少子高齢化に伴う人口減少によって労働人口は減少の一途をたどる見込みです。すると、一度出産を期に企業を離れた人材であっても再就職という形で企業に戻ることは、双方にとって利点になるのです。だからこそダイバーシティ が注目されているのです。
企業におけるダイバーシティ・マネジメント
先述のような背景があり、企業から注目を集めるダイバーシティ。もともと米国で、このような多様性のある人材を活用することや女性の働き方をサポートするということは頻繁に議論されていました。
日本でも女性をはじめとして障害を持った人々、シニア層、外国人の活用が進んでいるのは、皆さんも実感しているのではないでしょうか。都心のコンビニをのぞいてみれば店員の半数は外国人ではないでしょうか。また、地方では特に工場の労働者として外国人労働者の活用が進んでいます。
2016年には「女性躍活躍推進法」も施行されました。女性のリアルな声を聞けば、「出産をしたいけれど、仕事も現状のままで継続したい」という趣旨の想いが散見されます。今後さらに女性の活用や障害を持った人々、シニア層、外国人の動きも加速していくことが見込まれます。これらについてどのように企業に導入していくのか、マネジメントしていくのか、という事柄が、ダイバーシティ・マネジメントを指します。
ダイバーシティ・マネジメントにおける採用
先述のダイバーシティ・マネジメントを行うには結果的に人材の採用が鍵を握ってきます。企業において、いくらダイバーシティに目を向けても、実際に採用し現場レベルに落とし込むことができなくればそれはダイバーシティ ・マネジメントとは言い難いでしょう。
皆さんの企業において、社員はフルコミットしているでしょうか。以前はフルコミットし自分の時間さえも削り仕事をすることは、日本人の労働美学でもあったかもしれません。しかし、大手企業でも終身雇用制度は既に困難であるという趣旨の言葉が最近は見受けられます。
そのため、これからの働き方は、その企業へフルコミットするのではなくフルタイムでもなく、プロジェクト単位や短い時間で動いていく必要が出てきます。
結局のところフルコミットの社員を多数抱えることで結果的に、企業にマイナスをもたらすことは大いに予測がつきます。つまり、フリーランスやフルコミットではない人材と有用的に渡り歩いていくことが企業にとっても有用的なのです。
経済大国アメリカのフリーランスは労働人口に対して約4割りを占めています。一方で日本は2割にも満たないと言われています。これからわかるように平均的な能力の社員を採用するよりも尖ったスキルのある人材とプロジェクト単位で採用した方が結果的に企業にとっても収益性の向上にも繋がります。これはアメリカのGDPを見ても理解できます。日本はアルバイトであれば時給2000円にも満たないでしょう。しかし、アメリカでは時給6000円というデータも存在しています。GDPや経済に大きな開きがあることはこれから見ても明らかでしょう。つまり、アメリカのフリーランス人口からも採用のポイントが見えてきます。
ダイバーシティ ・マネジメントにおける教育
日本では2020年から小学生へのプログラミング学習が始まる予定です。もちろんこれはダイバーシティ ・マネジメントにおける重要な教育の1つです。
それでは、企業が行うべき教育とは何でしょうか。もちろんプログラミング教育も1つの方法です。情報化・IT社会と言われ久しい現代ですが、今後もその流れは加速する一方でしょう。そしてAIにも代替され仕事がよく言えば効率化、ネガティブに言えば奪われる時代がやってきます。
そんな時に重要なのが、”自分で思考する力”でしょう。また、それがビジネスの種となるようにアウトプットできる人材です。そして企業はそのアイデアを事業化していく力が求められていくます。義務教育をはじめとして、一億総中流社会で育った現代の日本人は、普遍的なことを良かれとしてました。しかし、今後はそれでは機械に代替されていくことは目に見えています。
そのため、それを乗り越えるためにも、自分で思考しビジネスを作っていく必要があります。そして企業はそのスモールビジネスのリスクを拾ってあげることができる受け皿になるべきです。
副業解禁も久しくなりましたが、副業(スモールビジネス)をまずは社員に実践させることが、何よりも人材教育に有用的になるのは確かです。