DEIのE「エクイティ」について理解を深めよう
2023.10.24
ツイートDEIという言葉が日々世の中に浸透してきました。
しかしながら、言葉や意味をなんとなく知っているで終わっている人も多いのではないでしょうか。
本コラムでは、DEIでも特に重要な要素である「E:エクイティ」についての紹介をしています。ぜひ、理解を深めていただく機会になればと思います。
大前提!DEIとは
DEIとは「D:ダイバーシティ」「E:エクイティ」「I:インクルージョン」の頭文字をとった用語です。
DEIの目標は、多様性、エクイティ、インクルージョンの原則を組織や社会に統合し、公平で包括的な環境を促進することです。多様性のある人々の異なるバックグランドや経験を尊重し、それを組織や社会の強みとして活用することが重要とされています。
言葉の要素を解説
D(ダイバーシティ):個々が持つ背景、特性、経験、文化、性別、人種、宗教、性的志向などの多様性を指します。組織や社会が様な人々を受け入れ、異なる視点を尊重し、多様性を受け入れる文化をつくることを指します。
E(エクイティ):異なるアイデンティティを持つすべての個人に対して公平な機会と資源を提供することを指します。特に社会的・経済的な格差を埋め、不平等を解消し、個人のニーズや差異を認識して対策を講じることが重要です。
I(インクルージョン):多様なバックグランドや特性を持つ個人やグループを組織や社会に完全に組み込むことを意味します。インクルージョンの文化は、人々が受け入れられ、尊重され、自分自身を表現できる環境を作りだします。異なる視点と経験が評価されるため重要視されています。
エクイティを更に解説
エクイティは、DEIでも特に重要な概念の1つです。
エクイティ(公平)は、イクオリティ(平等)とは異なり、個人や組織のニーズや背景に合わせて適切な支援やリソースを提供すること意味します。
社会的・経済的な不平等を解消し、あらゆる個人が公平に扱われることを追求するものです。
・エクイティ(公平):個々がもつアイデンティティに応じて適切な支援を提供することで、不平等を是正し、社会的・経済的な格差を縮小することを目指す考えのこと
・イクオリティ(平等):すべての人々に対して均等な機会や資源を提供することで、個々が持つアイデンティティに関わらず、全員が同じ条件で同じ機会を享受できるようにすることを目指す考えのこと
エクイティが推進されない主な原因
エクイティが推進されない背景には、様々な理由があります。
1)意識不足
エクイティについての意識が不足しているため、問題の重要性が多くの人に理解されていないことです。
2)抵抗感
一部の人々はエクイティの推進に対して抵抗感をもつことがあります。なぜなら既存の状況に満足しており、変化に反対する傾向があります。
3)伝統的な文化や構造
組織は長い間続いてきた伝統的な文化や構造に固執しており、エクイティを導入することが難しいと感じています。
これらの3つの理由の他にも、エクイティが推進されない背景は様々ありますが、中でも、上記はその中の主な要因と言えます。
特に、女性活躍の推進に多大な時間が要された背景にもこれらの要因が挙げられます。
【参考】女性活躍推進の阻害要因となった「オールド・ボーイズ・ネットワーク」
オールド・ボーイズ・ネットワークとは、男性中心の組織で形成されてきた文化や仕事の進め方、人間関係のことを指します。これは、女性活躍を阻む最大の壁になっていると言えます。
日本の組織は、年功序列で男性がマジョリティとなり、組織の成功体験はほとんど男性が経験していました。そのため組織文化やルール、会話の仕方、暗黙の了解などは男性が中心となって作られたものであり、そのほとんどをマイノリティである女性には伝えられていなかったのです。厄介なことに、男性は自分自身が「オールド・ボーイズ・ネットワーク」であることに気づいていことがほとんどなのです。
エクイティを推進するための第一歩「マイノリティの認知」
オールド・ボーイズ・ネットワーク(以下略OBN)の例から分かるように、マジョリティ(OBNの例では「男性側」)はマイノリティ(OBNの例では「女性側」)の立場や困っていることに気づきづらいことが、推進を阻む最大の要因となっています。
エクイティを推進する上でも重要なのは、マイノリティを認知することです。
自分は今の会社のルールや環境に困っていないから、他の人も困っていないだろう、変える必要はないだろうと考えることは大変危険です。
自分と他者は違うことを大前提に考え、困っている人はいないか、その人たちは具体的に何に困っているのか、何をしてほしいだろうかと考えることを意識しましょう。
エクイティを推進するために、まず、重要なことは「マイノリティを認知すること」です。
まとめ
エクイティを推進するための第一歩として、全員がマイノリティを認知することが重要とお伝えをしました。
自分が持っていない考えや視点を養うことは非常に重要です。なぜなら自分が当たり前だと思っていることが他者にとっては当たり前ではないかもしれないからです。
そういったことに気づくためにも、まずは日頃から多様な人々と関わり会話をすると良いでしょう。これまで気づかなかったことに気づくことができるかもしれません。