近年、多くの企業がダイバーシティ、エクイティ、インクルージョンを経営の最優先課題に掲げるようになりました。しかし、推進担当者の方々と対話をする中で、共通して聞こえてくる切実な悩みがあります。
アンコンシャス・バイアス研修を実施しても現場の変化が見えない。心理的安全性の重要性は管理職に伝えたはずなのに、ハラスメント体質が根深く残っている。数値目標としての女性管理職比率などは追いかけているが、実態としての居心地の良さが伴っていない。
多額の予算と時間を投じた施策が、なぜ現場の空気を変えるまでには至らないのか。私たちヒップスターゲートは、この課題を解決するために、日本企業特有の構造に踏み込んだ新しいアプローチを提案しています。
1. 知っているとできているの間にある、深い溝
教育から着手する企業は多いものです。eラーニングや外部講師による研修を通じて、多様性の重要性やバイアスの仕組みを学ぶことは、非常に大切な一歩です。しかし、そこには罠も潜んでいます。
研修直後のアンケートに並ぶ高評価とは裏腹に、翌日から現場のマネジメントが劇的に変わることは稀です。多くの管理職は、自分は理解している、あるいはできていると主観的に判断しています。自分の日常的な振る舞いが部下にどのような影響を与えているかを客観的に把握する手段を持っていないからです。
推進を阻む最大の要因は、悪意ではなく無自覚です。この壁を突破するには、抽象的な概念を具体的なデータという現在地に変換するプロセスが欠かせません。
現場の意識を変える客観的な鏡の必要性
できているつもりのマネジメント層に対し、部下の視点や組織の数値をフィードバックすること。この手順こそが、形骸化した研修を自分事へと変える手段となります。
人間は、自分を平均よりも優れていると思い込む傾向があります。これを心理学では自己奉仕バイアスと呼びますが、DE&Iの文脈でも同様です。自分は差別をしていない、自分は部下の意見を聞いているという自己認識と、部下が実際に感じている疎外感との間には、往々にして大きな解離があります。この溝を埋めるには、個人の感覚に頼らない、冷徹なまでの客観的な数字が必要なのです。
2. 日本型組織を阻む目に見えない規範の正体
欧米発の理論をそのまま適用しようとして、現場の反発に遭うケースも少なくありません。日本の組織には、欧米とは異なる特有の文化背景があるからです。
脱男らしさを競う文化の重要性
私たちの調査と研究によれば、日本企業のインクルージョンを阻害しているのは、単なる個人の意識不足だけではありません。組織に根付いた、男らしさを競う文化や、私生活より仕事を優先すべきという価値観が、多様なメンバーの声を封じ込める空気を作り出しています。
これは単にジェンダーの問題に留まりません。長時間労働を厭わないタフさ、過度な同調圧力、そして弱みを見せられない緊張感。こうした規範が支配する職場では、育児や介護といった制約を抱える社員だけでなく、斬新なアイデアを提案しようとする若手や、異なる背景を持つ専門人材もまた、その能力を十分に発揮できなくなります。
有害なリーダーシップの可視化
これらは家父長制や官僚主義と結びつき、上意下達に固執する権威主義や、気分でチームを振り回す気まぐれといった、有害なリーダーシップやハラスメントを誘発します。これらを個人の性格で片付けず、組織の課題として測定する必要があります。
日本型組織特有の「阿吽の呼吸」や「場の空気」は、かつては強みでした。しかし、多様性が求められる現代においては、これらが排他性を生む装置に変わります。リーダーが自分の価値観に無批判であるとき、チームの創造性は静かに、しかし確実に削られていくのです。
3. 私たちが「Divearth」を開発した理由
現場の閉塞感を打破し、リーダーとチームの成長サイクルを支援したい。その想いから、私たちは東京大学大学院の星加良司教授と共同で、職場のインクルージョンレベルを可視化する診断サービス、「Divearth」を開発しました。
共同開発責任者である星加良司教授の知見を基盤に
三井物産人材開発株式会社と東京大学の共同研究による知見を基盤とし、最新のインクルーシブ・リーダーシップモデルを構築しました。欧米の理論に、年功序列やトップダウン、主観的な評価といった日本特有の組織風土を組み込んだ点が最大の特徴です。
星加教授の研究室では、社会モデルという視点からバリアフリーや包摂性を捉えています。つまり、生きづらさや働きづらさの原因を個人の資質に求めるのではなく、社会や組織の仕組みの中に潜む障壁(バリア)として捉える考え方です。「Divearth」はこの視点を取り入れることで、リーダーがどのようなバリアを職場に作り出しているのか、あるいは取り除けているのかを浮き彫りにします。
Divearthとは
インクルージョンレベルを可視化する診断ツールです。リーダー個人のリーダーシップを測るライトコースと、チーム全体の浸透度を測定するスタンダードコースがあります。
測定項目は多岐にわたります。協働の風土、風通しの良さ、脱ハラスメントといった基本的な項目に加え、コミュニケーションの包摂性、さらには日本企業に特有の家父長制や男らしさを競う文化からの脱却度合いを数値化します。これにより、研修がやりっぱなしになる、現場への落とし込み方がわからないといった悩みを解消します。
◎サービスはこちら ➡ https://hipstergate.jp/divearth/

4. 現場の負担を最小限に、効果を最大化する設計
忙しい現場にアンケートを依頼するのは気が引けるという、担当者の方々の懸念も考慮しました。
かんたん入力でスタート
ライトコースならリーダーの回答時間は1分から10分程度で、Google FormsやMicrosoft Formsを使用してオンラインで完結します。
私たちが目指したのは、日常のルーティンを妨げない軽やかさです。しかし、その短い回答時間から導き出されるレポートは非常に重厚です。属性や役割によって生じる回答の差、すなわち多様性ギャップを抽出することで、マジョリティであるリーダーが見落としがちなマイノリティの痛みを、データとして提示します。
豊富な活用支援と改善ノウハウ
私たちは、診断して終わりにはしません。結果を受けて、各企業の課題に合わせた改善ノウハウや事例を提供します。診断対象者へのトレーニングメニューも用意し、インクルージョンの定着まで伴走します。
可視化された課題をどのように解決するか。そこには、それぞれの組織に合わせた処方箋が必要です。診断データに基づいたワークショップや、管理職向けの1on1トレーニングなどを通じて、数字を行動へ、行動を文化へと昇華させるプロセスを共に歩みます。
5. 終わりに:未来の組織を作るのは今の可視化です
ダイバーシティの推進は、単なる社会的責任ではありません。多様な視点の化学反応を通じて、新しい価値を生み出し続けるための経営戦略です。
組織が変わるためには、痛みを伴うこともあります。しかし、その痛みの先には、誰もが自分の力を最大限に発揮でき、それが正当に評価される新しい時代の組織像があります。
うちの現場は大丈夫だろうという推測ではなく、科学的なエビデンスに基づいた確かな一歩を。私たちヒップスターゲートは、Divearthを通じて、組織変革を全力でサポートいたします。まずは資料請求(問い合わせフォーム)にて、私たちのメソッドをご確認ください。
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