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HRD用語【バーナードの組織論】

2015.03.24

【バーナードの組織論】

チェスター・バーナード(経営学者・アメリカ)が提唱した組織理論。組織を「二人以上の人々の意識的に調整された活動ないし諸力の体系」と定義し、組織が成立する条件として「共通目的」「協働意欲」「コミュニケーション」の3つを挙げている。現在もっとも普及している組織の概念。

 

研修の場で組織を定義するとき引用されるのが、バーナードの組織論です。
「目的」「協働」「コミュニケーション」の3条件はいかにも心地良い響きです。
目標達成のためにチーム一丸となって仕事をする訳ですから、理想的です。

バーナードはとっても良い人、もしくは性善説を前提とする人だったのでしょうか。
何故なら、バーナードの言うとおりだとして、目的、協働、コミュニケーションのどれか一つが欠けてしまったら、組織として不成立、企業であれば解散あるいは倒産することになります。
でも実際は違います。
企業ビジョンや社員の協働意欲、コミュニケーションが破綻をしている企業でも、会社としては存在し続けます。

バナードの組織論が発表された1938年のアメリカ。
30年代初頭の不況から脱出を果たすところだった経済が再び後退をしたのが、1937年。
ラジオドラマの火星人襲来を、本物のニュースと勘違いした市民が全米でパニックを起こしたのが1938年。
そして第二次世界大戦の前年です。
緊迫していたとも、長閑やかであったともとれる時代でした。
バーナードの組織論のような人間の行動を主軸とする論理が、受け入れられる時代背景がそこにあったのでしょう。

組織は、雇用や契約によって形作ることが出来ます。
乱暴に言うのなら、企業のビジョンや協働意欲、メンバー同士のコミュニケーションがなくとも、システムとして存在させることは可能です。
更には、雇用契約なく組織のメンバーになろうとする人はいません。

ハードから組織を構築できる今、人間観が根底にあるバーナードの組織論には、釈然としない部分もあります。
しかし、だからこその『理想』=共通目的・協働意欲・コミュニケーションなのだとも思えるのです。

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