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2025年の崖って何だ?12兆円の経済的損失を回避せよ!

2021.06.22

2025年の崖って何?

経済産業省が2018年にまとめたレポートのタイトルが
『DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~』であり、
発表とともに"2025年の崖"という言葉が注目を集めました。

2025年の崖とは、複雑化・ブラックボックス化した既存ITシステムが
経営・事業戦略上におけるデジタル競争の敗因リスクになることです。

企業がこれから継続的に成長し、競争力を強化するためには、
新たなデジタル技術を活用するなどして、新たなビジネスモデルや価値を創出していく必要があります。
そうした取り組みの一つに
“デジタルトランスフォーメーション(=DX)”推進があるわけですが、
実際のところ企業の成長につながっている実例は少ないのです。

平たく言うと、DXを推進せず、既存のITシステムのまま乗り越えようとした場合、
2025年以降に最大12兆円/年の経済損失が生じる可能性がある、ということなのです。

この危機を回避するために、既存システムの刷新を進めなければなりません。
例えば、これまで部署毎に縦割りで異なるシステムを連携させていたものを、
全社横断的なデータ活用が容易にできるように再構築するなどです。

しかしながら、こうした対策もいくつかの前提が必要です。

・経営層が既存システムの問題点を把握し、いかに克服していくかの絵を描けている
・既存システム刷新に際し、各関係者が果たすべき役割を担うことができる
・ユーザ企業とベンダー企業の良好な関係、新たな提携先の構築
・DX人材の育成、確保、活用

先述のDXレポート公表から2年半が経過しましたが、
DX推進に取り組んでいる企業はどれほどあるのでしょうか?

進まぬDX推進

経済産業省は2020年12月、中間報告書「DXレポート2(中間取りまとめ)」を公開しました。
そのレポートによると、2020年10月時点で9割以上が未着手や一部での実施にとどまり、
DXは想定以上に進んでいないことが明らかになりました。

DXレポートの発行から2年が経過した現在、経済産業省はこの結果を受けて、
デジタル変革に対する現状への危機感を持つ国内企業は増加しているものの、
「DXの取組を始めている企業」と「まだ何も取り組めていない企業」に二極化しつつある状況
と示していますが、二極化と呼ぶにはあまりにも両者の数に差があり過ぎます。

DXが進まない背景には、そもそもDXについて知らない、ということもあるでしょうが、
経営層の中長期的な成長戦略にDXがうまく組み込まれていない点にあるのが大きいように感じます。

コロナによって、テレワークをはじめ様々な業務改革が否応なく進んだわけですが、
それらを受けて、「これまでの前例や常識に捉われることなく、企業変革に邁進していきます」
と宣言した企業は多かったです。

しかし、実態はどうだったでしょうか。
ただ言葉だけが一人歩きをして具体的に何をいつまでどうやるまでの
落とし込みまで至らず、時間だけが経過していったのではないでしょうか。

経営層から現場にトップダウンで推進

中小・零細企業の経営者によっては、デジタル技術に疎く、
従来の方法を変革することに不安を感じる場合も少なくありません。
また、
現状で困っていないことを言い訳にして、
問題を放置してしまうケースもあるでしょう。

DXを推進するには、経営戦略にDXを取り入れることがカギを握ります。
そこに会社規模や業界は関係ありません。

とにもかくにも経営層が自ら先陣を切り、
積極的に変革にコミットしていくことです。

トップに明確なビジョンや戦略がないのにもかかわらず、
部下に最新デジタル技術やAIを使って何か新しい価値を生み出してくれ
と発破をかけても上手くいくはずがありません。
同じように、ただDX人材を登用しても全く意味がないのです。

自社でDXを推進していくことにどんな意義があるのか。
会社・社員がどのようなステップで何をやっていくのか。
こうした目指すべき方向性を明確に示し、社内で共有を図ることが大切です。

そうした大きな絵を描いたあとには、
DX推進チームを新たに結成すると良いでしょう。

推進チームが中心となり、会社の横断的な連絡・連携を図りながら、
実務部隊として機能していくわけです。
ときには外部の専門家、コンサルタントに助言を仰ぐことも必要かもしれませんね。

 

最後に、先述のDXレポート2内の記述も示して終わりにします。

DX の本質とは、単にレガシーなシステムを刷新する、高度化するといったことにとどまるのではなく、事業環境の変化に迅速に適応する能力を身につけること、そしてその中で企業文化(固定観念)を変革(レガシー企業文化からの脱却)することにあると考えられる。当然ながらこうした変革は誰かに任せて達成できるものではなく、経営トップが自ら変革を主導することが必要である。

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