2018.09.13

プロメン物語 第3話 情報はどうやって集める?

あゝ人材教育!3分ななめ読み

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ヒアリングをしてみよう

同じ部内の志村先輩に会議が終了したことを報告するついでに、業務ミスに関してヒアリングもしてみよう。

「志村さん。先ほど業務改善プロジェクトの会議が終了しました。」
「そうか、お疲れさん。で、どうだった?やっていけそう?

「概要とやるべきことは理解しました。本当にやれるかどうかは別ですが。

「なんだ、今回は随分と自信ないな。大抵プロジェクトは本業がありつつ、並行して進められることが多いものだ。マルチタスクってやつだな。プロジェクトのせいで業務が終わらない、なんてことになれば本末転倒。そうだろ?」
「そうですね、うまくタスク管理しながら進めます。」

まだまだ全体像がぼんやりと見えているだけで、細かいタスクは分かっていない。
これは、しっかりとToDoと期限を管理していかないといけないな。

「ところで志村さん、今お時間ありますか?」
「お、早速何かあるのか。いいよ、どうした。」
「どのような業務ミスが起きているのか、そしてなぜ起きたのかをヒアリングさせてください。」
「なるほど、そうだなぁ。業務ミスとしてはヒューマンエラーが圧倒的に多いな。
 例えば、この前は郵送物の誤送があった。中の書類はA社ものなんだが、封筒の送付先がB社になっていたんだよ。担当者が封筒準備をしていた時に、ちょうどB社から電話が掛かってきたらしい。電話が終わった後、何を勘違いしたのかB社の住所で封筒を作ってしまったために、誤送してしまったというわけ。
 簡単に言えば、頭の切り替えができていなかったっていう何とも単純なミスなんだが、意外とこういうのが頻発しているんだよ。原因としては………本人の思い違いというしかないな。」
「同じミスを起こさないために、何か対策はしているのでしょうか。」
「封をする前にダブルチェックを徹底することになった。ただ実際はいつも第三者にチェックしてもらっているわけではない。みんな忙しいからな、手を止めてチェックする時間も惜しいと考える人もいる。だから律儀にやっている人もいれば、今までどおりチェック無しで自己完結する人もいる。あ、ちなみに俺はしっかりチェックしてもらってから送ってるからな!」
「別にそこは強調しなくても良いですよ。ありがとうございます。大変参考になりました。」

よし、他の人にも話を聴いてみよう。

ヒアリングだけでは不十分!?

それから数日間をかけて、一通り部内の先輩社員たちにもヒアリングをすることができた。

ヒアリング情報をまとめると、ほとんどがヒューマンエラーによるものだ。
そして原因も思い違いや決められたルールを守っていないがために起きている。

とりあえず、ここまでやっておけば次の会議は大丈夫だろう。
ふぅ、何だか喉が渇いたな。ちょっと飲み物でも飲んで休憩しよう。

―社内ラウンジにて―

「加賀くん、お疲れさま。」

ちょうど飲み物を口に含んだタイミングで肩を叩かれたものだから、少しズボンにこぼしてしまった。

「なんだマナミちゃんか、お疲れさま。」
「なんだとは失礼ね。」
「いやいやそういうわけじゃ……ごめん。」

飲み物を飲む瞬間に肩を叩くなんて絶対にワザとだろう。
だがそれを差し引いても、なぜかこの人の前ではヘマばかりしてしまう。良いとこなしだ。
そうだ、ここはプロジェクトの進捗状況を伝えて挽回だ!

「そういえば業務改善プロジェクトの情報収集、進んでる?」
「ええ、もちろん。加賀くんは?人の心配をしている暇なんてないと思うんだけど。」
「うるさいな。聞いて驚かないでよ。実は既に情報収集が終わっているんだ!」
「へぇ~、そうなの。加賀くんにしては意外と早いのね。」

あれ、あんまり驚いていないな。むしろ最後はちょっとバカにされてるし。

「意外と、は余計だよ。」
「それでどうやって情報収集したの?」
「無視しないでよ。部内の先輩たち全員にヒアリングしたよ。事象と原因は分かった。」
「なるほど。他には?」
「え、他に?それだけだけど。」
「ははん、そんなことだろうと思ったわよ。それじゃダメね。」

次回予告

マナミからのダメ出し。情報収集にはITを活用せよ!

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