元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏から学ぶビジネスに必要な思考力
2021.07.06
ツイートYouTubeで大人気の有名人
最近、YouTubeで元2ちゃんねる管理人の西村博之さん(通称:ひろゆき)の
動画が人気を博しています。
コロナによる外出自粛の期間が長く続き、YouTubeをはじめとしたネット動画を
視聴する人数と時間が飛躍的に増えたことも背景にはあるものの、
直接的にひろゆきさんの視聴回数が伸びた理由の説明にはなりません。
一つ考えられるのは「ひろゆきさんの思考力の高さ」にあると言えるでしょう。
視聴者激増のワケ
具体的にひろゆきさんの動画視聴回数が伸びた要因を考えてみます。
①コンテンツの面白さ
動画自体に面白みがなければ、当然ですが視聴回数は増えるはずがありません。
ひろゆきさんの人気コンテンツといえば、「お悩み相談室」です。
相談者から寄せられる様々な悩みに対して、即座に歯切れよく回答を繰り出す。
ときには毒舌ともとれるような手厳しい表現も交えながら、
しかし、それほどに嫌味ったらしくないのが特徴でしょう。
このちょうどよいバランス感覚は、あだ名をきっかけに再ブレイクを果たした有吉弘行さんや、
愛のある毒舌で一躍人気者となったマツコ・デラックスさんに通ずるものがあります。
お悩み相談というコンテンツ自体は全く目新しいものでもなく、
それこそ誰でもすぐに思いつくような内容のものです。
視聴回数が激増したワケはもう一つあるのです。
②"切り抜き動画"という仕掛け
切り抜き動画とは、見どころを上手に編集(切り抜き)し、
字幕などを加えて見やすく短くまとめることを指します。
いわゆる動画版のまとめサイト、と言えるかもしれません。
世の中に商品や情報が広まり、認知されるためには、
SNSや口コミなどで拡散してくれる利用者(今回は視聴者)の存在が必要不可欠です。
そこで切り抜き動画の登場です。
これまでは「面白かったからシェアをする」という図式でしたが、
切り抜き動画では「シェアをすればお金をもらえる」仕組みなのです。
つまり、ひろゆきさんの動画コンテンツを切り抜いて投稿した人は、
切り抜き動画で得られた広告収入の一部を受け取れることができるのです。
もちろんこの広告収入はひろゆきさんにも配当されますので、
ひろゆきさんと切り抜き動画を作る人がWin-Winの関係になっているのです。
ひろゆきさんの動画コンテンツを見てみると、2時間越えもざらにあり、
ほぼ無編集でそのままアップロードをしています。
そうすると視聴者としては、やはり見どころや肝心なシーンだけを見たいと思うはずです。
そこで切り抜き動画編集者が1つの話題・テーマ毎に3~5分、長くとも10分以内でまとめてくれるのですから、
時間を節約したい人々にとっては、こうした切り抜き動画が便利なわけです。
実際にひろゆきさんの動画コンテンツを再生数比べてみると、
上位は切り抜き動画がほとんどで、公式を圧倒しています。
それでも公式が数十万回再生あるのも十分すごいですが。
ビジネスに必要な思考力
ひろゆきさんの動画配信が大成功を収めている要因を見てきましたが、
商品開発とマーケティングで非常に巧みであることが分かります。
まさにビジネスにおいて必要な思考力を体現している良いケースです。
ひろゆきさんといえば「論破」が有名で、
『論破力』という書籍も出しているくらい口が達者な人、
頭の回転が速い人のイメージがあるかもしえませんが、
それはあくまでも表面的な事象に過ぎません。
2ちゃんねるの開設や今回のYouTubeにおける戦略など、
その本質はもっとビジネス的であり、ユーザーを虜にする天才
この一点に尽きるのではないでしょうか。
そして、この本質を支えているのが「思考力」です。
世の中にインパクトのある商品を生み出すにも、
それを世に浸透させていくにも自分で考える力が必要です。
考える力は何もせずに時間の経過とともに高まっていくものではありません。
読書をして知識を増やす、人と対話をして見聞を広めるなどの
具体的行動の結果として身についてくるものです。
一番簡単なトレーニングは「なぜ?」と疑問を問いかけることでしょう。
今回のひろゆきさんの動画人気に関しても、ただその事実を知って終わりにするのではなく、
その理由を考えてみることです。
絶対的な正解を探し当てることが重要なのではなく、
自分なりの答えを創りあげることこそが重要なことなのです。
身近なものに目を向けてみれば、たくさんの「なぜ?」があるはずです。
例えば・・・
エスカレーターで左側に並ぶのはなぜなのか?
ニワトリの鳴き声が世界中で全く異なるのはなぜなのか?
ビジネスに関係するものでなくても、
日頃から頭を働かせて物を考えておくことで、
いざという大事な局面で思考力が存分に発揮されるはずです。
ぜひ色々なものに疑問を持ち、思考力を高めていきましょう。