世界でいちばんやさしい教養の教科書
2021.06.28
ツイート教養って何だろう?
「教養」とは具体的に何を指すのでしょうか。
教養と言われたときに、頭にどんなことが思い浮かびますか。
教養を辞書で引くと、
① 教え育てること。
②学問、幅広い知識、精神の修養などを通して得られる創造的活力や心の豊かさ、物事に対する理解力。
また、その手段としての学問・芸術・宗教などの精神活動。
③社会生活を営む上で必要な文化に関する広い知識。
と書いてあります。
それでは、教養とは何か、と問われたときに、
最も本質的な答えとは一体何なのでしょうか。
あなたなら何と答えますか。
歴史や文学、芸術など多様な知識を増やすことが教養の本質と言えるのでしょうか。
辞書的な意味合いでいえば、限りなく正解に近いでしょう。
例えば大学では教養教育のことをリベラルアーツ教育ということがあります。
それから、一般教養、教養課程という言葉もありますね。
この場合は②の意味で使われていると考えられます。
しかし、ビジネスにおいてはやや答えが変わります。
既知の情報を結びつけて活用し、それらを基に考える力こそ教養です。
ビジネスでは、知識は何らかのアウトプットや成果に結びつけなければ無用の長物です。
そして、ビジネスで問われるのは正解のない問いであり、
自分なりの答えを見つけ出すことが求められます。
学生時代のような他者から選択肢を与えられ、
空欄に適切な答えを当て込むだけのペーパーテストとは全く違うのです。
自分で答えを見つけるには、考えるための材料が必要です。
その材料の元になるのが歴史(先人の知恵)であったりするわけです。
つまり、ビジネスパーソンにおける教養の本質とは、
単に雑多な情報をため込むだけの知識偏重ではなく、
情報を咀嚼し、柔軟な視点で物事を考える価値創造であると言えます。
教養はどう学ぶ?
教養を身につけようと思っても一朝一夕ではいきません。
まずは考える土台にするための情報をインプットすることです。
したがって知識をため込むという意味では、辞書的な教養が必要です。
情報を得るための手段はネットで調べる、人から話を聴くなど、
いくつかありますが、一番手っ取り早くて確実なのは書籍です。
書籍であれば、記載されている情報のソースもしっかりしていることが多いですし、
一つの分野を知るにも、複数の分野を拡散的に知るにも容易に対応可能です。
どんな本を選んだらいいか迷う、という方は次の本がオススメです。
歴史・哲学・言語・心理・文化・経済・社会・日本・芸術の全9テーマを幅広く学ぶことができます。
イラストが豊富で読みやすく、飽きずに最後まで読み進めることができるのも良いところです。
タイトル:世界でいちばんやさしい 教養の教科書
著者:児玉 克順
出版社:学研プラス (2019年2月発売)
こちらの本を何度も読み返すのも良いでしょうし、
自分の興味がある分野をさらに深くしることも良いでしょう。
そうして自分自身の中に幅広い情報をため込み、
ビジネスシーンで上手に引き出せるようにしておきましょう。
繰り返しになりますが、知識をため込む際に単に記憶するだけではいけません。
例えば歴史であれば、出来事だけを覚えるのではなく、
なぜ起きたのか、それによってどんな影響があったのか、
現代で似た事例はないか、と派生して考えることが、
ビジネス的な教養を身につけるためのファーストステップなのです。
「ある事実を知っている」だけでは知識偏重型で終わってしまいます。
「ある事実を知っていて、自分なりの解釈や思考の枠組みを持っている」ことこそ
ビジネスで求められる教養であることを忘れてはなりません。