仕事でぶつかる壁―成長する人にだけ訪れる試練
元メジャーリーガーのイチロー氏は、「壁というのは、できる人にしかやってこない。超えられる可能性がある人にしかやってこない。だから、壁がある時はチャンスだと思っている。」という言葉を残しています。
ビジネスパーソンだけでなく、誰もが仕事や人生において壁にぶつかる時があります。壁に遭遇するシチュエーションや、壁の大小、難易度はそれぞれ違いますが、イチロー氏は「壁」にぶつかる人には成長の可能性があることを、前人未到の偉業を達成した経験に基づいて明言しているのです。
仕事で直面する壁とは?未経験の業務への取り組み、成績の伸び悩み、など
ビジネスパーソンが直面する「壁」は、それまでに経験のない新たな業務あるいは大きな業務に取り組むことを負荷として感じる場合や、目標とする成果を上げられず、伸び悩みや悪循環のループに陥った場合などが想定されます。
壁を乗り越えるには―分析、ポジティブシンキング、そして全力投球
仕事で壁に直面したら、その壁を乗り越えるためにやみくもに行動するのは得策ではありません。
① 状況の分析
② ポジティブシンキングと全力投球
③ 対処方法:正攻法と裏の手
こうしたポイントを押えて対処することは、負のループを断ち切って一歩前進するための突破口になります。
次に、対処方法を具体的に見ていきましょう。
① 状況の分析
目の前に壁があると感じたら、自分自身の置かれた環境や、具体的に何に対して困難さを感じているのかを冷静に分析することが第一歩です。
新入社員であれば、日々の業務すべてが未経験のことであり、本人が意識こそしないにせよ、そのひとつずつが小さな壁の連続だとも言えます。新入社員が壁に直面したと感じるなら、とにかく経験を積むことが壁を乗り越える特効薬になります。
入社数年を重ねると、自分なりに取り組んだことが成果に結びつかないことも出てきます。自分のキャパシティを超える業務や責任を負わなければならない場合も少なくありません。
システムエンジニアなどのIT系エンジニアであれば、管理職への昇進の過程で、現場の業務を離れ管理職としての業務にシフトすることの葛藤も生じてきます。
一般の管理職では、良い人材がなかなか育ってこないことや、チームやプロジェクト内のコミュニケーションがうまく図られず、成績が頭打ちとなってしまうことを壁と感じることもあるでしょう。
どのような壁にぶつかった場合も、その原因を冷静に分析し、今、自分ができることは何か、周りの人との関り方を見直す、人から助言を得る、あるいは他者に協力を仰ぐことなどで改善する余地はないのかなどを考えます。
その結果、壁を乗り越えるためになすべきことが具体的に見えてきます。
② ポジティブシンキングと全力投球
行動するにあたって、成否の鍵を握るのはポジティブシンキングです。
前出のイチロー氏は、「何事も前向きに行動することが可能性を生むんです」、そして「『できなくてもしょうがない』は終わってから思うことであって、途中にそれを思ったら 絶対に達成できません」」とも述べています。
結果的にうまくいかなかったことを想定しながら行動すると、どうしても自分に甘くなってしまいます。全力で取り組む姿勢があってこそ、壁を乗り越えるチャンスも出てくるという真理は、イチロー氏の言葉と実績が物語っています。
ただ、実際にやってみても、ぶち当たった壁を必ずしも乗り越えることができるわけではないのも事実です。「やってみて『ダメだ』とわかったことと、はじめから『ダメだ』と言われたことは、違います」と、イチロー氏が言うように、全力で取り組んだ結果として、望む結果が100%達成できなかったとしても、自分の可能性は確実に以前より広がります。視点が変わったことで必然的に見えてくる景色や物事のとらえ方も変わってきます。
③ 対処方法 正攻法と裏の手
目の前に障害が立ちはだかった時や苦悩にさいなまれた時、イチロー氏は以下のように考えました。
「思うようにいかない時にどう仕事をこなすか。これが大事です」
「打線が苦しい時には、守備とか走塁で流れをつくるのが野球の基本です」
事態を好転させたいといっても、なんでもいいから一生懸命やれば成果が上がるというわけではありません。「どう仕事をこなすか、何をすれば現状を打開できるか」、これが何より重要です。これには、上述の「状況の分析」が役立ちます。
営業成績が伸び悩んでいるという壁を乗り越えるには、営業成績を伸ばせばいいのは当然のこと。これが簡単に達成できないからこそ、分析結果を活かして、他のアプローチ、例えば、クライアントとの関わり方を見直す、あるいはプレゼンの方向性を再検討するなど、見直す余地がある分野をできる限り伸ばすことに努めます。
仕事の壁は成長の糧になる―乗り越えるためのセオリー
ビジネスパーソンの誰もが経験する仕事の壁。壁を壁として認識できるのは、成長する余力があることの証です。
壁を生じさせている原因の分析と、ポジティブシンキング、分析に基づいて全力で対処することで、以前よりワンランク上のステージに立った自分を確認できるはずです。
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