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コンフリクト解決の手法と成功のための3カ条

2019.08.23

「コンフリクト」が注目される理由 企業のダイバーシティ化との相関性

コンフリクト=conflictとは、論争や対立、利害の衝突が起こり、緊張状態になることを指すビジネス用語です。近年のビジネスシーンにおいて、「コンフリクト・マネジメント」や「コンフリクト解決」という言葉を耳にする機会が多くなっています。

終身雇用や年功序列制度下にあった従来の日本企業では、調和を重んじる企業風土のもと、さまざまな対立や衝突は極力回避され、表出することはまれでした。

しかし、年功序列制度の見直しや中途採用者の増加、企業再編などによって、多様な考え方や価値観が混在するようになり、必然的に「コンフリクト」が多く発生するようになったのです。

現代の企業には、円滑な企業運営のために、この「コンフリクト」を適切にマネジメントして、解決に結び付ける姿勢が求められています。

「コンフリクト・マネジメント」と「コンフリクト解決」とは?

現代では、コンフリクトにはプラス面とマイナス面の両方があると認識されています。コンフリクトを組織の活性化や変革のチャンス=プラス面と捉えて、戦略的に活かす手法は「コンフリクト・マネジメント」と呼ばれています。

かつて「論争や対立」は、日本社会の中では忌み嫌われるネガティブワードとして受け止められてきました。それとは対照的に、コンフリクトを前向きに受け止めて、当事者双方が決着するための解決策を見出す手法を「コンフリクト解決」と呼びます。                                 

  • コンフリクトのプラス面

コンフリクトは、企業に対して、大きく分けて4つの好影響を及ぼします。

・組織が変革するチャンスになる

・率直な意見交換ができる土壌ができる

・当事者の意見を言葉にすることで、論点がはっきりする

・相手の意見を聞くことで、新たな視点やアイデアが生まれる

  • コンフリクトのマイナス面

コンフリクトが発生することで、当事者同士が不快感を味わう、円滑に双方向のコミュニケーションがとれなくなる、あるいは正しく情報が伝わらなくなることで適切な意思決定ができなくなるといった弊害が生まれることもあります。

コンフリクトの解決手法5つ 「協調」は最も望ましい手法

コンフリクトを決着させるには、5つの手法があります。

・強制:パワーバランスを背景に、自分の方針や意見を相手に押し付けることだと言えるでしょう。

・服従:相手の考えを完全に受容させられること

・妥協:当事者同士がほどほどの落とし所をみつけること

・回避:あえて直接的な衝突や対立を避けること

・協調:互いの意見を出し合いながら、双方にとっての最善策を導き出すこと

コンフリクト解決3つのステップ

コンフリクトを「協調」による解決に導くためには、段階的に対処する必要があります。

1.方針や手順など、実務的な面で意見の衝突や対立が見られたら、まずは当事者同士の意見を全て突き合わせて、一致する点と異なる点を浮き彫りにします。

2.次に、双方の相違点を整理して、コンフリクトが生じた原因を洗い出します。

3.最終段階で、当事者それぞれが目指すゴールは何か、自分の考えに固執しすぎてはいないか、双方が納得できる解決策はないかなど、客観的に判断を下して、解決を図ります。

協調に向けたコンフリクト解決がなかなか進まないのであれば、中立的な立場にあるファシリテーターに調整を依頼するのも、コンフリクト解決を成功に導く一つの方法です。

協調によるコンフリクト解決 成功への3カ条

コンフリクトを協調によって解決させるためには、以下の3つの秘訣があります。

1.コンフリクトの論点は、あくまでも「誰」ではなく、「何」であるかを常に意識することを忘れてはならないでしょう。コンフリクトの原因が相手の人間性にあると結論付けてしまうと、客観的で建設的な解決策を見出すことが難しくなってしまいます。

2.経営者や管理職が、率先してコンフリクトをポジティブに受け入れる企業風土を醸成することも大切です。協調によるコンフリクト解決を、企業の活性化や改革につなげていく姿勢を示し、社内に定着させることが当面の課題となります。

3.何より重要なことは、コンフリクトが発生したら、感情的な対立に発展するほどこじれてしまう前に、早急に解決に向けて対処することです。コンフリクトの長期化が組織のスムーズな運営の妨げになり、生産性や競争力の低下につながる事態を回避しなければなりません。

企業に求められるコンフリクト・マネジメント コンフリクトを改革の原動力に

コンフリクトは決してネガティブなイベントではありません。当事者双方がWin-Winの状態にコンフリクト解決を決着させることで、企業の改革や発展の原動力になり得ることを、ビジネスパーソンの誰もが認識する必要があるでしょう。

 

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