フォローアップの神髄(3)~教育の効果を測る~
2016.10.20
ツイート教育の効果を測るのはとても難しいことです。
それでも、種々の方法を尽くして定量的あるいは主観的にも測らなければ、その後のフォローの内容を確立できません。
① アンケートを取るという落とし穴
教育訓練の直後にアンケートを取る手法は、思いや教育の与えた効果の程度を測るために大切なことです。
しかし、ここで気をつけなければいけないことが一つあります。
「アンケート」の実施は、研修の効果を尋ねるのと同義ですので、記入する瞬間に、受講者は評価者になります。
ユーザーレビューのように受講者であるにもかかわらず、評論家に変じてしまうことが問題です。
理解できなかったのは研修のやり方がまずかったせいである、と主客転倒してしまうことは、絶対に避けなければなりません。
なるべく、批評をするような質問をせず、自分は理解できたか、理解しようとしたか、真剣に取り組んだか、教わったことを活用していく気があるか、といった受講者の学びの質を問う設問をしましょう。
他人に行動変容を起こさせることは大変に難しいことです。
研修の善し悪しを測るのではなく、受講者の意識の変化を問い、今後がんばろうという気持ちでいるかを、気づかせる形式にするのが理想的です。
② 自己レビューにしよう
受講者が、教育を受けた後に確認すべきは、次のような心意気です。
・自分の理解の程度
・理解しようとした、自分のやる気
・今後、自分が変わろうと思う意欲
・さっそく、何をしようと思うか
・学んだことをどういうきっかけにするのか等
こうして受講者に自己レビューをしてもらった結果、なかには、自分の行動を変える気のない受講者がいるかもしれません。
成長意欲を持つ人材を企業は必要とし、また、期待をかけます。その視点で考えると、行動変容の意識が薄い社員には特別な注意をもったフィードバックが必要です。職場と人事部門で共有を図るとよいでしょう。