様々なワーク(演習)を駆使して研修効果を上げる方法。
2016.01.07
ツイート研修内製化を実現したい。
そんなご担当者向けに「研修内製化のヒント」として、これまでいくつかコラムを掲載してきました。
前回はカリキュラム作成のポイントとして“時間軸”を有効活用するといったテーマでした。
実はカリキュラム作成において、もう一つ考えるべき重要事項があります。
それはズバリ「ワーク(演習)」です。
今までに数え切れない程、多種多様な研修を受講してきましたが、終始講義のみの研修がありました。
勿論、研修の目的や特性上そうせざるをえない場合もあります。
しかし、終始講師の話を集中して聞き続ける事は予想以上に大変なことです。
では、どうすれば良いか。
講義の合間にワーク(演習)を取り入れ、講義でインプットした情報をアウトプットする場面をつくるのです。
ただし、一口にワーク(演習)といっても、様々な形態がありますので、
受講者への影響度を鑑みて設計する必要があります。
<一般的なワーク形態>
個人ワーク(思い起こす)
講師からの問に対して、個人でじっくりと向き合うワーク。
自分の考えや行動を整理するだけで、書き出したりはしません。おおよそ1分くらいで完結し最もシンプルですから、
ワーク(演習)というより「思い起こす」と言った方が適切かもしれません。
個人ワーク(記述する)
課題や問に対して、個人でじっくりと考えるワーク。
考えをまとめる為、テキストに書き出すなど文章でアウトプットします。
ここで考え書き出した内容は、この後のグループワークで情報共有するケースが多いことからも、
しっかりと作業ができるよう講師側もファシリテーションの仕方に注意が必要です。
時間は短いものだと5分~7分程度。研修最後の総まとめ等で行動計画を策定する場合などについては、15分~20分以上時間確保が必要です。
グループワーク(共有する)
複数人のグループで、先述した個人ワークの内容を情報共有するワーク。
自分の考えを“話す(伝える)”ことで、言語化した具体的なアウトプットが可能です。
また、アウトプットに対する、他メンバーからのフィードバックを受けることができるのも特徴です。
ただし、全員が平等に発言できる時間(環境)を整える必要がある為、1グループの人数編成に留意が必要です。
グループワーク(議論する)
複数人のグループで、建設的な意見を出し合い結論を出すワーク。
ケース‐スタディー(事例研究)などグループでしっかりと話し合うことから”コミュニケーション能力”が問われます。また、話し合いに没頭するだけでなくワークの納期を守る為にタイムマネジメント能力や、議論を活性化させるファシリテーション能力なども重要になり、本ワークの質が左右されます。
ペアワーク(三人ワーク)
二人一組(または三人一組)になって行うワーク。
マンツーマン(少数)の為よりきめ細かな相互フィードバックが可能となります。
例えば、ビジネスマナー研修にて身だしなみを整える練習等は、ペアでチェックし合うのが効果的です。
三人一組の場合は、二人がワークをやっている様子を三人目の方が客観的に観察することで、
より客観的で詳細なフィードバックが可能です。
全体ワーク
クラス(受講者)全体で行うワークです。
制限時間内に受講者全員をまとめて指導する(意識強化を図る)のに適しています。
例えば、ビジネスマナー研修にて挨拶や電話応対等の訓練には、ある一定の形が決まっていることから、
まず全体ワークで基本演習を行ってから、ペアワーク(三人ワーク)での実践演習に移行すると
受講者の理解度が高まります。
これら以外にも、研修目的やねらいよって様々なワーク形態が存在します。
それぞれメリット・デメリットがありますが、インプットした情報をアウトプットする機会を設けることは
研修効果の増大を図る上でとても重要です。