「管理職にDE&Iの重要性を伝えているが、どこか他人事のように聞き流されてしまう」
「アンコンシャス・バイアス研修を実施したが、現場の行動がどう変わったか実態が掴めない」
DE&Iの推進担当として日々奔走されている皆様から、私たちはこうした切実な声をよく伺います。制度を整え、メッセージを発信しても、現場に漂う同質性の圧力や無自覚な排除という重力に跳ね返されてしまう。そんな孤独な戦いを感じることはないでしょうか。
日本におけるDE&I推進には、欧米の理論をなぞるだけでは解決できない、独特の組織文化という障壁が存在します。その正体を見極め、確実な変化へとつなげるために私たちが辿り着いた答えは、東京大学教授による学術的知見と企業の現場知を循環させるアプローチでした。
1. 日本型組織が抱える出発点の課題と再解釈
東京大学の星加良司教授は、日本がDE&I後進国とされる背景には、単一民族神話に基づく同質性の高さがあると指摘しています。欧米では多様性が社会の前提ですが、日本では多様性を選択肢やリスクとして捉えがちです。このため、ポジティブな変革よりもリスク回避の文化が強まり、知恵の蓄積が遅れているのが現状です。この停滞を打破するには、単なる正論をぶつけるのではなく、自社の歴史やストーリーを今の視点で再解釈する作業が不可欠です。
組織のストーリーをDE&Iの文脈で読み直す
例えばソニーグループでは、技術への情熱と社会への広がりという、全く異なる個性を持った創業者たちの違いこそが新しい価値を生んできたという歴史があります。これをDE&Iの文脈で再解釈することは、社員が変化を自分たちの強みの再発見として受け入れる強力な動機付けになります。歴史を味方につけることで、推進は外からの強制ではなく、内なる文化の継承へと姿を変えます。どの組織にも、再解釈によって活かせる独自の強みが必ず眠っています。
2. 現状を数値で直視し、課題を特定する
なんとなくの危機感では組織は動きません。客観的なデータこそが、経営層や現場を動かす共通言語となります。そこで活用するのが、星加教授と共同開発したアセスメントツール、Divearth(ダイバース)です。
日本特有の重力を可視化する20の尺度
Divearthは、日本特有の組織風土に鋭くメスを入れます。具体的には、タフさの過剰な要求や仕事第一主義を測る「脱・男らしさを競う文化」、権威主義や気まぐれを可視化する「脱・有害なリーダーシップ」、そして性別や年齢、家庭内役割によって職場の見え方にどれだけの差があるかを数値化する「脱・多様性ギャップ」など、20の尺度を用いて分析します。課題を数値化することで担当者の勘に頼らない戦略的なアプローチが可能になり、対策の立案もスムーズになります。
3. 理論と実践を循環させる4つのステップ
DE&Iは一度の研修で完結するものではありません。私たちは、研究データと実践知を組み合わせ、お客様の課題に合わせて最適な解決サイクルを回しています。
STEP 1:本質を突く多角的なヒアリング
中期経営計画における位置づけ、過去の研修の成果、さらにはジェンダーペイギャップや男性育休取得率まで、表面的な数字の裏にある組織のクセを丁寧に紐解きます。理想と現実の距離を正しく測ることがすべてのスタートです。
STEP 2:現状把握・調査分析
ヒアリングに基づき、Divearthを用いてチームとリーダーのインクルージョンレベルを明確に把握します。これにより、現場のどこに詰まりが生じているのか、どの要素が停滞の原因なのかを特定します。
STEP 3:分析に基づいた解決策のご提案
アセスメントで見えた理想と現実のギャップを埋めるための戦略を立てます。どの層にどのようなメッセージを届けるべきか、具体的なトレーニング内容と効果測定の指標を策定し、納得感のあるロードマップを描きます。
STEP 4:解決策の実施
調査結果を反映させたプログラムとして、例えばインクルーシブ・リーダーシップ研修を実施します。マジョリティの無意識を疑似体験するワークや、会議場面の動画を用いたケーススタディを通じ、楽しみながらハッとする瞬間をデザインします。単なる知識習得ではなく、現場で即実践できる対話の技術を養うことが目的です。
4. 文化変革には時間軸が必要である
星加教授も、ソニーグループの森慎吾氏も、共通して強調されていることがあります。それは、DE&Iの効果が現れるまでには時間がかかるという事実です。
短期的な成果を求めすぎない勇気
多様性が増す初期段階では、一時的に対立やコミュニケーションコストが増えることがあります。しかし、そこで手を止めてはいけません。文化変革には一般的に7年から10年のスパンが必要だと言われています。短期的な数値目標に一喜一憂せず、長期的な視点で、誰が異動しても継続できる仕組みを構築することこそが推進担当者の真の役割です。
担当者のパッションを仕組みに繋げる
一人で全てを背負い込む必要はありません。アカデミアの理論、先行企業の事例、そして私たちの分析や研修ノウハウ。これらを外部の知恵として上手く活用してください。成功事例を一つずつ積み上げ、自分たちの部署でもできるという手応えを広げていくこと。そのパッションと戦略の結合が、停滞した組織を動かす最大のエネルギーになります。
私たちが目指すのは、誰もが自分らしく能力を発揮し、それが組織の新しい価値へとつながる未来です。その第一歩として、まずは貴社の現在地を客観的な数字で捉えることから始めてみませんか。
DE&I推進の確実な実現に向けて
私たちは、東京大学・星加教授との産学連携により、理論と実践を循環させる独自のソリューションを提供しています。
- 組織の「今」を可視化する診断ツール:Divearth
- 課題を自分事化する:インクルーシブ・リーダーシップ研修
- 各社に合わせた柔軟なカスタマイズ提案
人材育成でお悩みの方へ、
弊社サービスを活用してみませんか?
あらゆる教育研修に関するご相談を承ります。
お気軽にお問い合わせください。
-
- 人材育成サービス
- ビジネスゲーム、階層別研修、テーマ別研修、内製化支援
-
- DE&Iサービス
- ダイバーシティ関連の研修・講演・制作および診断ツール
-
- ロクゼロサービス
- 社内勉強会を円滑に進めるための支援ツール
-
- 教育動画制作サービス
- Eラーニングなど教育向けの動画制作