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反転学習を社会人教育にどう活かせば良いのか

2019.12.20

反転学習の現状

「反転授業(flipped classroom)」とは、従来型の授業や講義と自宅学習との位置付けを反転させた学校教育における新しい授業形態のことです。一般的には、この反転授業の授業内容を社会人教育などに応用したものを「反転学習(flipped learning)」と呼びます。

反転学習受講者は基本的な学習や知識習得を集団研修前の課題として予習した上で、集団研修の場で知識の定着度を確認し、アクティブラーニングなどをとおして、課題解決学習や探究的な学習に取り組みます。

2000年前後から米国の教育者の間で「反転」の概念が起こり、2000年代後半には米国の初等中等教育機関で反転授業が広がりました。2012年以降は日本でも教育関係者の間で反転授業に関心が集まるようになり、東京大学大学院でも「FLIT(反転学習社会連携講座)」を設置し、反転学習について協議が重ねられました。

近年ではインターネット環境やタブレット端末、デジタル教材などのICT環境が普及し、オンラインなどによる事前学習が前提の反転授業や反転学習の基盤が整ってきたことや、デジタルネイティブが増えてきたことも追い風になっています。

今後の教育改革において、「反転」への関心はますます高まってくるはずです。

楽天の英語学習教室が「反転」を採用する意義

2019年10月から楽天グループの英語学習教室「Rakuten Super English ジュニア」が開業し、人々の注目を集めました。実教室を備えた本教室最大の特徴は、反転授業のコンセプトを用いて、「学習スタイルのモデルケース」を提示しながら、グローバル化に見合った実践的な英語力の習得を目指している点です。

これは、「反転授業」や「反転学習」の有効性が認められつつある、あるいは「反転」が今後の教育改革のキーワードになると考えられている証でしょう。

反転学習と社会人教育の高い親和性

反転学習による最大の効果は、オンライン学習と集合研修を組み合わせることで、主体的な課題解決力を定着させ、実践的で役立つ能力を開発することにあります。

グローバル化や企業の海外展開を背景に、社会人教育には、専門的な知識やスキルを習得するだけでなく、経営を担えるまでの人材を開発することが求められています。

反転学習と社会人教育に共通するのは、学んだ内容をより確実に実践の場で活かすというコンセプトです。社会人教育に反転学習を取り入れることは必然とも言えるでしょう。

反転学習導入のポイント

反転学習は次の3つのフローを接続して実施するブレンド型学習です。

①インプット―事前のオンライン学習による知識習得
②アウトプット―集合研修での知識の定着やグループでの課題解決演習など
③仕事での学びの実践

それぞれの過程には、研修効果を定着させるためのポイントがあります。

①インプット―事前のオンライン学習による知識習得

一連の研修をスタートさせる前に、受講者にアンケートを実施して、現状の確認と今後身に付けたい能力や業務において目指すゴールなどを明確にします。

反転学習を取り入れた社会人教育では、集合研修に臨む前に、オンライン学習で説明や解説を含む従来型の講義内容相当を学んでおくことが大前提になります。ただし、多忙な社会人が自学するには、効率的で効果的に知識習得できるような学習内容や時間、方法である必要があります。

通勤電車の車中や昼休みなど、すきま時間にスマートフォンやタブレットを使って講義ビデオを視聴することを想定します。そのため、講義ビデオの視聴時間が短くても内容を把握しやすいチャプター構成、わかりやすく簡潔な学習内容、さらには不明点などをオンラインで質問してフィードバックを受けられる体制なども望まれます。

講義ビデオの学習内容が実務と関連付けられる内容であること、あるいは学習の目的が明確にされていることなども、学習内容の価値認識や、能動的に学ぶ意欲を高めることにつながります。

②アウトプット―集合研修での知識の定着やグループでの課題解決演習など

反転学習はアクティブラーニングの一形態です。とりわけ、集合研修は能動的で主体的なアクティブラーニング型の取り組みが中心になります。オンライン学習で習得した知識をもとにして、グループによる課題解決演習やプロジェクト学習を何度も繰り返しながら、自発的な「気づき」や「学び」を定着させます。

社会人教育では、業種や業務の異なる多様な受講者が集います。多様性に富んだグループで協働体験を重ねるうちに、自分とは違う考え方や気づきに触れることで、課題解決のための新たな視点を得られるようになります。

③仕事での学びの実践

反転学習によって獲得した主体的な課題解決力は、実際にビジネスの場で実践してこそ意味があります。

しかし、実際にはせっかく学んだことが現場で実践に結び付かない、学習効果を実感できないといった問題は散見されます。こうした問題を解消することが、反転学習を活かした社会人教育成功のカギになります。

ここで重要になるのは、現場での上司のサポートと効果の定量測定です。

集合研修後に、上司のサポートを得て、受講者が研修結果を定期的に内省することで概念化する、さらに当初設定したゴールに到達できているかなどを定量的に測定できれば、研修内容は着実に定着します。

社会人教育での反転学習の活かし方

社会人教育を受ける人の多くは主体的で学習意欲が高い傾向があります。

モチベーションの高い受講者が目的意識をもって事前のオンライン学習に取り組み、知識を習得した上で集合研修に臨めば、反転学習の効果として、現場でキーパーソンとして活躍できる人材が育成されることでしょう。

 

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