気づかないうちに相手を傷つけていませんか? ~「マイクロアグレッション(無意識の攻撃)」を防ぐために ~
2023.09.15
ツイート無意の思い込みは、多様性、公平性、包摂性(DEI)の実現を阻む大きな要因となります。アンコンシャス・バイアスとは、自分では気づかずに持っている偏見や先入観のことを指します。
私たちは、無意識のうちに自分の固定観念で相手を判断し、不適切な評価をしてしまうことがあります。そのような行動は、相手を傷つけ、公平性を損なう可能性があります。
つまり、自分の中にある無意識の偏見に気づき、それを克服することが、DEIの推進には不可欠なのです。私たち一人ひとりが、自分の思い込みに注意を払い、偏見のない公平な判断ができるよう努める必要があります。
マイクロアグレッションとは
マイクロアグレッションとは、人種、性別、性的指向、宗教、障害、国籍などの属性に基づいて、無意識のうちに他者に対して差別的、冒涜的、攻撃的な言動や行動を示すことを指します。これらの小さな行為は、明確な悪意はありませんが、偏見や思い込みに基づいているため、相手を傷つけることがあります。
マイクロアグレッションは、その小ささゆえに認識しづらいのが特徴です。しかし、これらの行動や言動が積み重なることで、相手にストレスや不快感、不平等感を引き起こすことがあります。
例えば、「彼氏/彼女はいるの?」と尋ねることは、無意識のうちに相手を異性愛者と決めつけていることになります。この質問は、相手が同性愛者である可能性を排除した言動です。仮に相手が同性愛者であった場合、聞き手は気づかない間に不快な思いをさせてしまうことになります。
マイクロアグレッションをなくすために
マイクロアグレッションを根絶するには、持続的な取り組みが欠かせません。個人、組織、そして社会全体が協力して取り組む必要があります。差別や偏見に対する根本的な変化を促進し、より包括的で公平な社会を実現するために、私たち一人ひとりが尽力することが重要です。
具体的なアプローチは、下記の方法が挙げられます。
- 研修と教育
マイクロアグレッションを引き起こすアンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)は、個人の行動や意思決定に大きな影響を及ぼします。この問題に取り組むためには、まずトレーニングや教育プログラムを通じて、個人がこうしたバイアスの存在に気づき、自己認識を深めることが不可欠です。そうすることで、個人はより客観的な視点を持ち、バイアスに左右されることなく適切に対処することができるようになります。この取り組みを通じて、組織や社会全体でマイクロアグレッションの問題に対する意識を高め、公平性と包摂性を高めていくことが重要です。 - 対話とコミュニケーション
異なる背景や経験を持つ人々が一堂に会し、意見を交換し合う対話の場を設けることで、相互理解を深める機会が生まれます。適切なコミュニケーションを心がけることで、誤解や不安が解消され、マイクロアグレッションの発生を抑制することができます。つまり、この対話の場は、多様性を尊重し、建設的な議論を促進する役割を果たすのです。参加者一人ひとりが開かれた心を持ち、お互いの立場を理解しようと努めることで、偏見を減らし、より良い関係性を築いていくことができるでしょう。 - DEIの促進
多様なバックグラウンドを持つ人々を組織内で積極的に受け入れ、DEIを推進します。多様な視点と経験が尊重される環境では、マイクロアグレッションが減少しやすくなります。
まとめ
マイクロアグレッションは、個人や組織、社会全体に影響を及ぼす重要な問題です。これらの小さな言動は、差別や不平等の背景にあり、個人の精神的健康や社会の結束を損なうことがあります。そのため、教育や訓練を通じて、人々が自身の行動を振り返り、他者に対して敬意を払い、包括的で平等な環境を促進することが重要です。マイクロアグレッションについての理解を深め、これらの問題に取り組むことは、より公平で調和のとれた社会を実現するために不可欠な取り組みなのです。