人材マネジメントに役立つフレームワークとは?
2023.08.15
ツイート人材育成を行ううえでフレームワークを活用することは効果的と言われています。
フレームワークには様々種類があるため、自社の特徴などを踏まえて、より効果の高いものを選択しなくてはいけません。
今回は、よく使用されるフレームワークをご紹介します。
カークパトリックモデル
カークパトリックモデルは、教育やトレーニングの評価手法で、ドナルド・L・カークパトリックが提唱したものです。このモデルは、教育の成果を4つの段階で評価します。
レベル1:反応(Reaction)
受講者の反応や満足度を測定します。研修やトレーニングに対する感想や評価を収集し、受講者の意見を把握します。
レベル2:学習(Learning)
受講者がどれだけ知識やスキルを獲得したかを評価します。教育の成果を学習の観点から測定し、受講者の進捗状況を把握します。
レベル3:行動(Behavior)
実際の行動変容を評価します。受講者が学んだことを実務や日常の行動にどれだけ適用できるかを測定し、教育の実践への影響を見ることができます。
レベル4:結果(Result)
教育の効果が組織や業績にどのような影響をもたらしたかを評価します。受講者の行動変容が結果や成果にどれだけ寄与したかを検証し、教育の効果を経済的な側面も含めて判断します。
単に受講者の満足度や理解度だけでなく、行動の変化や業績向上の程度までを評価することが可能です。
SMARTの法則
SMARTの法則は、目標設定の際に利用されるガイドラインです。
S – Specific:具体的
M – Measurable:測定可能
A – Achievable:達成可能
R – Relevant:関連性
T – Time-bound:期限
目標設定において上記5つを考慮することで、目標を明確にし、進捗の評価や達成感の向上を促進します。また、組織の戦略との整合性や効率的な優先順位付け、モチベーション向上、コミュニケーション向上にもつながります。
カッツ理論
アメリカの心理学者ロバート・L・カッツが提唱した人間の能力やスキルを分析する枠組みで、3つのマネジメント層と3つのスキルから構成されています。
3つのスキル
・テクニカルスキル(業務遂行能力):プレゼンテーション、ロジカルシンキング
・ヒューマンスキル(人間関係構築能力):リーダーシップ、コミュニケーション
・コンセプチュアルスキル(概念化能力): マーケティング、問題解決思考
3つのマネジメント層
・ロワーマネジメント:リーダーなど下級管理職
・ミドルマネジメント:課長や部長など中間管理職
・トップマネジメント:社長や役員など経営職層
マネジメント層ごとにどのスキルがどのくらい必要なのかを示されており、どのような研修をおこなえばよいのかを把握しやすくなるのがメリットです。
70:20:10フレームワーク
学習と成長の過程における要素の割合を表すモデルです。このフレームワークは、学習とスキルの獲得が異なる方法で行われる割合を示すために使用されます。
70%:実務経験や実際の業務での学び。
20%:直接の人間関係や他者との連携、コーチング、フィードバックなどの社会的な状況での学び。
10%:研修、書籍、オンラインのコースなどによる学び。
主に実際の仕事やプロジェクトを通じた「実務経験」が、成長において中心的な役割を果たすとされています。研修などの形式的な学びが主要な要因ではなく、現場での経験が育成に重要です。多くの企業では、新入社員の育成において、現場での指導や教育(OJT)と、外部の教育機関による学習(Off-JT)の両方を組み合わせています。この際、両者の割合は、このフレームワークに従って決定されることが一般的です。
フレームワークにこだわりすぎない
フレームワークを利用すると、人材の育成計画が明確になりやすくなります。ただし、型に依存して進めると、初めの目標である自主的な成長が難しくなるかもしれません。フレームワークにこだわるだけでなく、育成の方法にも柔軟さを持つことが大切です。
まとめ
フレームワークを取り入れることで、人材育成を効果的に進めることができ、円滑さや効率性を向上させることができます。
自社の特徴にあったフレームワークを活用してよりよいマネジメントに取り組んでいきましょう。