HRD用語【ハラスメント】
2021.11.05
ツイートハラスメントとは、嫌がらせを指します。場面や対象は限定されておらず、様々な場面において、発言や行動によって相手を不快にさせることを指します。 発言や行動の主体者に相手を不快にさせている自覚がないとしても、発言や行動を受けた側が不快に感じた場合、ハラスメントに該当します。
1980年代後半から「セクシャルハラスメント」という言葉が聞かれるようになり、1997年の男女雇用機会均等法の改正により、「セクハラ規定」が設けられました。これにより、ハラスメントが社会へ認知されるようになったのです。
また、現在はハラスメントの種類が多様化し、企業におけるハラスメント件数は増加傾向にあります。
ハラスメントの現状
厚生労働省が発表した令和2年度の「個別労働紛争解決制度施行状況」によると、個別労働紛争に関するものは27万8778件となっており、昨対比8.6%の増加となっています。中でもいじめ・嫌がらせに関する内容は7万9190件となっており、全体の22.8%を占め9年連続でトップになっています。
参照:https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/newpage_19430.html
ハラスメントは企業内だけ起こるものではなく、家庭や学校などでも生じる可能性があります。しかし立場や役割が明確に異なる企業内においては、特にハラスメントが起こる可能性が高いといえます。
ハラスメントの種類
ハラスメントには、様々な種類があります。その中でも企業内で多いとされるハラスメントを見ていきましょう。
セクシュアルハラスメント
認知度が高いハラスメントは、やはりセクシュアルハラスメント(セクハラ)でしょう。相手が嫌がっているにも関わらず、性的な嫌がらせをすることを指します。
元々は女性へ向けたセクハラが広く認知されていましたが、近年では男性へ向けたセクハラも多くなっています。いずれも個人の尊厳を傷付けることで、就業環境を悪化させることに繋がりかねません。
パワーハラスメント
業務を行う中で生じやすいのが、パワーハラスメント(パワハラ)です。役割や職種が異なる人に対し、上下関係ができやすいことから、企業内で起こりやすいといえるでしょう。
業務の範囲外において精神的、肉体的な苦痛を与えている場合には、パワハラと認定される場合があります。
ハラスメントが増えている
ここで紹介した2つのハラスメント以外にも、就業環境の変化に対応する形でハラスメントも増えています。
新型コロナウイルス感染症の拡大により在宅勤務が増えたことから、リモートハラスメントが聞かれるようになりました。オンラインを介してコミュニケーションを取る中で生じるハラスメントで、自宅での就業だからこそこれまで見えない部分が見えるようになっています。また、育児参加する男性が増えることで、パタニティハラスメント(パタハラ)も良く聞かれるようになっています。男性の育児休暇を批判し、人事評価へ悪影響を及ぼす行為です。
このように、生活環境に応じてハラスメントが変化する中で、常に対応する力が求められています。
ハラスメントとの付き合い方
企業内でのハラスメントを防止するためには、十分な法律の周知や規定の設定、場合によっては飲み会のコントロールなどが必要でしょう。また、万が一ハラスメントが起きた時のために、相談窓口の設置やプライバシーの確保も重要です。
一方で、ハラスメントという言葉が世の中に普及したことで、何もかもハラスメントという名前が付くようになったと感じる方もいます。
円滑なコミュニケーションや信頼関係の構築と合わせて、ハラスメントに対する正しい理解を醸成することで、従業員にとって安心できる環境をつくっていくことが大切です。