脳が認める勉強法
2020.04.15
ツイート記憶力を高める方法を知る
天才や秀才が集まってクイズに答える頭脳王が好きなE氏です。
難問や奇問に悠々と答える人を観てると「すごいなぁ~」とただただ感心するばかりです。
一体、彼らはどのようにして莫大な情報を脳に溜め込んでいるのでしょうか。
そもそも私たち凡人と脳の作りが違うのでしょうか。
今回は学習や記憶の仕組み、プロセスを解き明かした一冊を紹介します。
この本を読んだからといって、すぐに頭脳王の人たちのように
圧倒的な情報量を脳に詰め込むことはできないかもしれませんが、
少なくとも日常生活や仕事で活かせるポイントはたくさんあるはずです。
著者:ベネディクト・キャリー
訳:花塚 恵
出版社:ダイヤモンド社(2015年12月発売)
要約
●なぜ脳は忘れるのか
忘却とは学習の敵ではない
余計な情報を忘れることで大事なことに集中することができる
●環境に変化をつけて記憶力を高める
勉強(記憶しようとした)場所を復元するとより多く思い出せる
BGMを変えたり、勉強部屋を変えてみたりすることは学習の強化につながる
●勉強時間を分散する
一気に集中して勉強する、いわゆる一夜漬けは学習効果が低い
勉強時間そのものを増やすのではなく、勉強する機会を増やす
忘れたころに復習する間隔で勉強するのが記憶につながる
●無知を味方にする
資格試験やテストの点数を上げたいのなら、自分で自分をテストする
自己テスト以外に、学んだことを第三者に説明することも効果の高い学習法で、
机に座り続けてやる勉強より20~30パーセント学習効果が高い
●ひらめきを生む
脳は常に問題解決のヒントを探している
行き詰ったときには、その問題から離れてぼんやりするもの一つの手
休憩したり、別のことをしたりするだけで創造的な問題解決能力を養ってくれる
未完了の仕事や勉強は記憶に留まりやすい(ツァイガルニク効果)
●眠りながら学ぶ
睡眠時に学習情報が整理されて記憶に結びつくが、
1時間から1時間半程度の昼寝でも8時間睡眠と同等の学習強化が得られる
E氏の私見
もしも高校生の時に本書に出会えていたなら、
私のその後の人生は大きく変わったかもしれません。
学生時代はとにかく勉強時間だけが自分の勉強した証であると信じて、
とにかく机に向かうことを第一にしていた覚えがあります。
ですが、それは全くもって効果が低い学習方法だったようです。
いかに効率よく学習を進めて、必要な事項を漏れなく記憶するかを
学校の先生が教えてくれていたのなら・・・
なんて"たられば"を言い出したらキリがありませんが、
仕事でも本書のテクニックは十分に活用することができます。
むしろ、仕事の方が単純に物事を覚えるだけでなく、
そこから発展させて自分なりの答えを導く出すという意味では、
記憶力+αが求められるわけですから、記憶の重要性はより高いかもしれません。
例えば前に見た新聞記事と自社の強みを組み合わせて、
何か新しい新規事業を提案するとかですね。
私たちには普段から忘れることはいけないことだと思いがちですが、
忘れることは覚えるために必要なステップなんですね。
覚える⇒忘れる⇒覚え直す⇒忘れる⇒覚え直す、ということを
何度も繰り返すことによって、脳は「これは重要な情報だ」と認識し、
記憶の保管庫に大切にしまってもらえるわけです。
私が思うに人生は常に勉強であり、
新しいことを知ることは喜びでもあります。
でもせっかく仕入れた情報や知識を忘れるのが怖い(正確にはもったいない)
と思っていましたが、認識を改めました。
忘れたことを恐れない、むしろ忘れてしまったことを歓喜するべきだ。
ということを胸に刻みながら、またこれからも勉強していきたいですね。
それでは、また次回をお楽しみに!