フォローアップの神髄(4)~1年目のフォロー~
2016.10.25
ツイート1年をどう過ごすか
新人の適切な職業観を形成するためには、1年目の過ごし方、環境が大切です。早い人では、この1年を耐えられず退職してしまうことも、現在では珍しくないことでしょう。
誰にとっても不安なこの時期、職場になじめるかどうかは重要ですし、本人の資質として、人間関係や仕事に悩み、挫折してしまうことも大いにあります。したがって、この期間は、社会生活に慣れさせながら、様々な教育訓練を通じて、見守っていくことが必要でしょう。
たとえば、一定の期間を設定して、この期間の心情を把握しておきましょう。そのためには、様々な手法でコミュニケーションを取り、時には、成果を発表させたり、レポートを提出させたりして、業務にメリハリをつけるのもよいでしょう。
企業によっては、交換ノートのような指導ノートを作る場合もあります。それぞれの企業の実情に応じて、最適と思えるものを探ってください。また、何でも、ITに頼るのも考え物です。メールや、WEB上のレポートだけで済ませようと思わず、時には、何気ない一言をかけてあげましょう。きっと、新人の心に残るはずです。
1年で2~3回のフォロー教育
入社時に集合教育を行い配属させたら、その先は、職場に任せきりということでは、新人を投入しただけになり、全くフォローをしていないことになります。教育担当部門は、当初の1年から3年をどのように指導していくのか、予め基本の流れを作成しておくとよいでしょう。
少なくとも1年以内には、新人を集めてフォローの場を作りましょう。その場では、必ずしも多くを教え込む必要はないと言えます。ただし、人事・教育部門は、新人が元気に就業できているか状況を把握し、新人本人は同期との懇親を経て、やる気や安心感を持ち帰る場でなくてはなりません。また、この期間は、業務に慣れてくると同時に、生活の変化による疲れも出る時期です。けがにも十分注意する必要がありますので、安全については、しっかりと教え込みましょう。
フォロー教育は年に2~3回実施するのが理想的ですが、特に最終回は、この1年で学んだことを整理させ成果を発表する内容にすると効果的です。こうすることで、自ら成長を実感してもらうことができます。
また、ここだけの話ですが、社内習慣に染まっていない彼らには、新たな視点での気づきがあり、社内体制の欠点を教えてくれたりするものです。いったん組織の風土になじんでしまうと、途端に右へ倣えしてしまい、何も違憲しなくなるということも大いにあるものです。
とにかく、初年度は、慎重に温かく見守り、育成していきましょう。