最近、フェムテックという言葉を耳にしたことはありませんか？フェムテックは、現在注目されている新たな分野です。こちらの記事では、フェムテックとは何かという点に焦点を当て、詳しくご紹介します。

フェムテックとは何か？

では、そもそもフェムテックとは何かを見ていきましょう。 フェムテックとは、Female（女性）とTechnology（テクノロジー）を掛け合わせた言葉です。女性特有の身体の悩みをテクノロジーで解決していく分野として近年注目を集めています。 確立された定義が存在しているわけではないものの、女性の身体の不快感の軽減や、日々の円滑な生活をサポートするテクノロジーとして広く知られるようになりました。

注目を集める背景

では、なぜ今フェムテックが注目を集めているのか、その背景を詳しく見ていきましょう。

女性の社会進出

最も大きな理由は、世界的に女性の社会進出が進んでいることです。日本国内ではもちろん、世界的に女性の社会進出が進んでいます。 中でも日本は少子高齢化の影響を受け、就業する女性の数が圧倒的に増えています。そこで、女性が活き活きと活躍できる社会を目指し、テクノロジーを駆使した女性支援を活発に行う必要が生じています。 女性が社会進出するにあたり、女性特有の身体の悩みと適切に向き合うことは必要不可欠です。そこで世界中で注目されているのが、このフェムテックなのです。

女性の晩婚化

女性の社会進出に伴い、女性の晩婚化が進んでいます。女性の妊娠・出産が以前よりも高齢化することで、女性の身体への負担は大きくなっています。 これにより、不妊治療を行う夫婦も増えており、約16人に1人が不妊治療を行っているとも言われ、社会的にも大きく注目を集めるようになってきました。 そこで注目されているのが、フェムテックです。 テクノロジーを駆使して自身の身体の様子を把握することで、妊娠に適した生活や治療を把握することができます。また、女性側の問題ではなく、男性側に問題があることを顕在化させることもしやすくなりました。 女性の社会進出と共に、晩婚化によって生じる問題をフェムテックが解決できる可能性があるのです。

2025年までに5.3兆円に拡大するとされる市場規模

また、注目を集める大きな理由として挙げられるのが、2025年までに5.3兆円に拡大すると言われている市場規模です。2018年には1.8兆円だった市場規模は、2025年までに急速に拡大するとされています。 幅広い年代から指示を受けている生理用品の拡充をはじめ、健康的な卵子を長く保つ卵子凍結など、まだまだ世界的に開拓しきれていない分野が多数ある点がフェムテック市場の最大の特徴です。 今後消費者に対しては、認知度向上を目指すことで市場規模拡大が想定されるほか、企業側は多くの企業参入による市場活発化が想定されます。したがって今後、市場はどんどん拡大していくことが予想されているのです。

フェムテックが女性に与えるメリット

では、そんなフェムテックは具体的に女性にどのようなメリットを与えるのでしょうか。

女性が不快感なく過ごせるようになる

女性は月に一度生理があるため、その周辺の時期にはホルモンバランスの乱れが生じます。生理によるPMSと呼ばれる月経前症候群や、生理痛は多くの女性が経験している不安感・不快感と言えるでしょう。 しかしこれまで、個人差があるゆえに女性同士でも話されることは多くありませんでした。近くの人と同じ痛み、辛さ、不快感ということはほぼないため、女性同士であっても共感を得られないことはしばしばありました。 しかしフェムテックを通じて、自身の辛い時期を可視化できるだけでなく、利用するテクノロジーによっては辛さを可視化し、他人に知らせることも可能です。自身が自身の身体を深く知ることはもちろん、個人差がある辛さを知るという観点でも、フェムテックは非常に有効なのです。

不快感を取り除くための情報を得られる

これまで女性特有の悩みは、通院する、薬を飲むなどを除き、目立った解決策がないものがほとんどでした。多少の不快感があっても、通院のハードルを高く感じる人も多く、通院によって解決できることを知らない人も少なくありません。また、誰もが経験する辛い痛みも、耐えるという解決策で見過ごされてきた側面があります。 しかしフェムテックが発達すれば、女性が自ら悩みに応じた解決策を見つけることが可能です。これまで解決できないと思っていた悩みを、テクノロジーの力を借りて解決することができるようになるかもしれません。 このように、これまではどうしようもなかった不快感を解決するための情報が、フェムテックを通じて得やすくなっているという点も大きなメリットと言えるでしょう。

女性のキャリア進出が活発化する可能性がある

日本は2021年度のジェンダーギャップ指数が示す通り、世界の中でも男女平等の観点では後進国となっています。2021年度の数値は156カ国中120位と、先進国の中では特に遅れていることが分かります。 ひとつの要因として、女性のキャリア進出をサポートする仕組みが世の中的に不十分ということが挙げられます。女性が積極的に仕事に取り組むという価値観の浸透だけではなく、女性が働きやすい環境整備は急務です。 そこで重要な役割を果たすのがフェムテックです。女性がキャリアを大切にしながら、妊娠や出産、子育てといったライフイベントを並行して行うことができるよう、テクノロジーによるサポートを実現することが可能です。 これにより、ジェンダーギャップ指数の回復をはじめ、さらなる女性活躍を期待することができるでしょう。

まとめ

フェムテックは、女性の社会進出はもちろん、結果的に家庭での過ごし方も無理がなくなるなど、女性だけではなく周辺の人々にも大きなメリットがあることと言えます。 実際に利用する女性は、はじめはハードルが高いかもしれません。しかし、これまでの生活を全てフェムテックで解決できることに置き換える必要はなく、生活のひとつの知恵としてまずは活用してみてはいかがでしょうか。