2019.10.11

近年注目のエンプロイー・エクスペリエンスを紐解く

あゝ人材教育!3分ななめ読み

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エンプロイー・エクスペリエンスとは

近年注目を集めている従業員の経験・体験を意味する「エンプロイー・エクスペリエンス」。これは、企業に従事する人材が企業をはじめとする、その組織で行われている経営活動や人事施策などを通して得られる経験について、従業員視点で考えることです。

また、従業員の満足度やキャリア、スキルアップ、健康状態など、会社組織で経験できる全ての物事を包括した概念のことを指しています。言い換えると、単にエンプロイー・エクスペリエンスといっても、その考え方・捉え方は様々であり、企業がエンプロイー・エクスペリエンスに関する施策を行うといっても多様なアプローチがあることを意味しています。

実際、私たちの社会には数え切れないほどの企業が存在しており、日本だけでも400万社を越える企業が存在しています。すると、この企業の数だけエンプロイー・エクスペリエンスのアプローチがあるとうことでもあります。また、すでにエンプロイー・エクスペリエンスの施策を打っている企業はというと、世界的な民泊仲介サイト「Airbnb」やクラウド会計・人事労務・会社設立・開業ソフトを提供している「freee」などが挙げられますが、この施策には大企業も中小企業も関係なく、その事業規模に合わせて対応が必要になってきます。というのも、それには現代の時代背景が大きく関わっています。

エンプロイー・エクスペリエンスが注目される背景

注目を集め、施策を打っている企業がで始めているエンプロイー・エクスペリエンスですが、皆さんの企業では検討されているでしょうか。まだ、検討していないという企業が多いかもしれません。しかし、エンプロイー・エクスペリエンスが注目されている背景を認識すれば、企業にとって対策が急務であると腑に落ちるかもしれません。大きな要因としては以下の3つです。

  1. AIやIOTの台頭
  2. 従業員の離職率向上
  3. リモートワークの推奨

1.AIやIOTの台頭

まず、1つ目がAIIOTといったテクノロジーが台頭していること。これらの導入は既に多くに企業で進んでいますが、皆さんの企業ではどうでしょうか。これらの利便性や有用性は既に広く認識されていますが、これらによって今までの業務が代替されているのではないでしょうか。

例えば、AIを活用した「チャットボット」をご存知でしょうか。ウェブサイトなどを見ていると時折見かけるかと思います。これはサイト閲覧者の質問や疑問点に即座に回答するシステムになっており、これによって以前クライアントからの電話受けやメール対応をしていた人材が不要になり、チャットボットによって代替されているのではないでしょうか。

他にも、IOTであれば、「ITランドリー」をご存知でしょうか。これはコインランドリーで稼働している洗濯機や乾燥機に通信機器を搭載したもので、それらの稼働状態や売上高といったデータを一元的に管理できるようにしています。以前であれば、コインランドリーのオーナーや従業員がデータを集計していたはずが、IOTによって代替されています。

このように、私たちの身の回りにはAIIOTによって代替されてる仕事が次々に登場しており、この流れは変えられません。すると、私たちはこれらを活用する側に回る必要があります。そんな時には、現場レベルで業務について思考する必要がありますが、この際にエンプロイー・エクスペリエンスの考え方が役立ちます。というのも、エンプロイー・エクスペリエンスはそもそも、従業員視点で考えることであり、これによって現場の様々な課題が可視化されAIIOTを活用する箇所が見つかり企業にとって生産性を向上させるのに繋がるからです。

2.従業員の離職率向上

2つ目が、転職が普遍的なものになり離職率が向上していること。皆さんの職場でもキャリアアップのために離職する方が増えてきているのではないでしょうか。特に経営者や人事に関わる方にとっては、これは大きな課題感を持っているはずです。実際、企業経営には、ヒト・モノ・カネの3つが経営資源と呼ばれ重要視されていますので、従業員であるヒトが企業から離れていくことは本来、企業経営において合理的ではありません。つまり、企業は合理的な経営を行うためにも人材を惹きつける魅力的な存在である必要があります。

そんな時のもエンプロイー・エクスペリエンスの従業員視点の考え方が役立ちます。離職率が向上しているということは社内に何かしらの原因があるはずです。それは給与面かもしれませんし、人間関係、やりがいなど様々です。それらを改善し有効な施策を行い企業に恩恵をもたらすためにも社員視点で課題意識を持って業務に取り組む必要が出てきます。

3.リモートワークの推奨

3つ目が、リモートワークが進んでいることです。IT企業をはじめとしてリモートワークを導入している企業は年々多くなってきています。実際、満員電車や車移動など、通勤には時間も労力もかかります。すると、エンプロイー・エクスペリエンス視点で従業員のことを考えてみると、自宅で業務にあたれるのであれば、会社へ通勤する必要性はありません。もちろん、労働集約型のビジネスであれば現場にいく必要がありますし、業種によって異なるので一概には言えませんが、毎日通勤する必要のある企業は、実際よりも多くはないはずです。つまり、エンプロイー・エクスペリエンス視点で考えて、従業員の負担を減らすことができれば、満足度が上がり、企業への貢献度も上がってきます。

このような背景がありエンプロイー・エクスペリエンスは注目を集めています。特に経営に携わっている方であればテクノロジーの隆盛やリモートワークの動きは肌で感じていることでしょう。人事に携わる方であれば、特に従業員の離職は身近なはずです。そのため、企業の持続的な成長を考えるのであれば、エンプロイー・エクスペリエンスは注力すべき課題になっています。

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