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「会話」ではなく「対話」で新たな価値創造、組織活性化に活路

2020.02.07

「対話」とは「意味付け」がある双方向のやりとり

チームに対する不平不満を解消して、より生産性の高いチームに変えていきたいと考えているビジネスリーダー、あるいは、業績向上のひとつの手段として、組織活性化を目指している企業は少なくありません。こうした組織変革のカギとして注目されているのが「対話」です。

「対話」は、「会話」や「議論」とならぶコミュニケーション手法の一種です。「対話」が「会話」あるいは「議論」と大きく違うのは以下の3点です。

① 話の内容が意味付けされている

② 話し手」と「聴き手」の双方向のコミュニケーションである

③ 違いを認めて、お互いを尊重する

まずは、この3つの相違点を確認しておきましょう。

① 話の内容が意味付けされている

対話に参加している人が同じ経験、例えば一つのミスに対して、一方は経験則から「たいした問題ではない」と捉え、他方は「自分にとっては重大な問題だ」と感じているかもしれません。これは中堅社員と新入社員によく見られるギャップです。

そのままでは、意見のすれ違いや価値観の相違で終わってしまうことでも、「対話」によって、こうした違いを生む背景をお互いが探りあって「意味付け」することができます。

② 「話し手」と「聴き手」による双方向のコミュニケーションである

「対話」は2人以上の人物で成り立ちます。1人は「話し手」です。他の参加者には、話し手の話を表面的に「聞く」姿勢ではなく、じっくり耳を傾けて理解しようとするスキル、つまり「傾聴」スキルが求められます。

対話の中で話し手と聴き手が交代しながら、お互いの考えを認識しあい、気付きを得て、創造的な発想に結び付くことも多くあります。

③ 違いを認めて、お互いを尊重する

自分と他人は違う個性や考えを持つ別人格であることが大前提となります。他人が自分を理解してくれるはずだと思うこともやめるべきでしょう。

双方が違うことを認識していれば、お互いを理解しようとする姿勢が生まれます。違う意見や考えを持つ相手でも、どちらが正しいか、答えを出すのではなく、それぞれを尊重して、接点を見出すことが「対話」の意義でもあります。

「対話」とは、「会話」と「議論」にはない相互理解が目的

「会話」では、話し手は自分の考えや出来事を一方的に相手に「聞いてもらう」ことを、話し手を変えながら繰り返すだけに過ぎません。話し手は話すことでスッキリするかもしれませんが、事態が進展することはありません。

「議論」は一定のテーマに対するそれぞれの主義主張を言い合うことです。そのため、相手を論破した人が勝者になることもあります。提示した選択肢の中から合意形成に結び付ける、または結論を出す場合も多く見られます。

「対話」は、終始一方通行なコミュニケーションではなく、明確な目的を目指したプロセスでもありません。上述の「対話」と、「会話」や「議論」との違いをベースにして、組織内での信頼関係を築いて、より発展的な意見や創造的なアイデアが出やすい環境を構築することが最大の目的です。

今、なぜ「対話」が求められるのか?

近年の企業は、人手不足による業務の忙しさや、多様な従業員、多様化する雇用形態などの理由から、コミュニケーションが不足しがちです。組織でプロジェクトや目的を遂行する場合、コミュニケーション不足は組織としての生産性を低下させる要因となります。

2016年に行われたHR総研の「社内コミュニケーションに関する調査」結果報告では、「コミュニケーション不足は業務の障害になるか」の質問に対して、有効回答者の63%の人が「大いにそう思う」と答えていました。

さらに、「社内のコミュニケーション手段で利用の多いもの」という質問では、企業規模を問わず全体では「メール」が80%以上、「対面」は70%以上という結果でした。

大企業にいたっては、「メール」が90%、「対面」が60%強、「イントラネット」も60%弱にのぼっています。大企業になるほど、メールやインターネットなどのコミュニケーションツールの活用度が対面に比べて高くなっている現状が見えてきます。

こうしたHR総研の調査結果から、業務の障害となるコミュニケーション不足を「対面」によって解消させる余地があることを読み取ることができます。

この対面コミュニケーションのもっとも身近で実践しやすい手法が「対話」です。停滞する組織を変革するのに「対話」が必要とされる理由はここにあります。

「対話」をコミュニケーションに取り入れるには

「対話」を実際にコミュニケーションに取り入れるためには、従来型の社内旅行や懇親会にとどまらず、さまざまな方法が考えられます。

組織や他者に対して不満や疑問を感じている場合は、まずは自分自身と「対話」するとよいでしょう。つまり、自分に対して「なぜ、チームのメンバーがもっと積極的に提案してくれないのか」、「何でも話せる雰囲気ではないと感じているのか」、「受け身になっているのか」など、感じている不満の理由を問い掛けるのです。

これによって、自分が抱えている不満や疑問点が顕在化され、それと他者の意見とを擦り合わせることで問題解消の糸口にすることができます。

会議やミーティングでは、リーダーや担当者が決定事項を一方的に伝達するだけ、あるいは議論するだけではなく、「対話」を主体としたアプローチを取り入れます。

例えば、質問などを受け付けずに、参加者全員が考えを正直に述べるといった手法をとることで、参加者同士で何を言っても大丈夫という安心感を生み、相互の違いを認めて理解を深められるようになります。

「対話」が組織にもたらす効果

「対話」を導入することで、状況をあらゆる側面から理解できるようになり、それぞれの違いの意味付けが可能になります。他者との違いも明らかになります。そこから、気付きがあったり、創造的なアイデアが生まれたりすることもあります。

多様性のある組織で対話を導入すると、それぞれが持つ違いを原動力にして、組織内での意見交換が活発に行われ、組織の活性化が実現できるわけです。これこそ、会話だけでは得られない対話の大きなメリットだと言えるでしょう。

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