2018.10.23

プロメン物語 第6話 困った時の相談相手

あゝ人材教育!3分ななめ読み

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伝えたいことがうまく伝わらない

前回のプロジェクト進捗報告会議は散々な結果だった。
せっかく準備に時間を掛けて情報を集めたのに、
あれもこれも話さなくちゃと詰め込み過ぎてしまった。

"なぜうまく相手に伝えることが出来ないのか?"

ずっとこの疑問だけがぐるぐると頭の中を駆け回っている。
自分なりに分析してみた結果はこうだ。

自分が何を伝えたいのか?がはっきりしていないからではないか。
会議の時も佐々木部長から要点を話せ、と言われて何も言葉が出てこなかった。

思い起こせば昔からそうだ。
例えば、面白いテレビや映画を見ても、人にその面白さを伝えるのが苦手だった。
具体的に何が面白かったのかを、かいつまんで説明することができない。

もっと話すのがうまくなりたい。
僕は心の底からそう思った。

頼りになる先輩

浮かない顔をしながらトボトボと歩いている僕を見かねてか、
志村先輩が声を掛けてくれた。

「おいおい加賀、どうした!?いつもより元気ないじゃないか。
 遂にマナミちゃんに振られちゃったか?」

「そんなんじゃないですよ。ってか何でマナミちゃんのこと知ってるんですかっ!」

「誰だって見てれば分かるだろっ!!」先輩はツッコミながら豪快に笑い飛ばした。

「えっ、本当ですか!?いや、ちょっとその話は今度にしましょう。
 いま僕、それどころじゃないんで。」

「何だよ、また悩んでんのか!?いつものように俺を頼りなさいよ。ズバッと解決してやるから!」

冗談ばかりで軽い印象を与える志村先輩だけど、実は仕事がバリバリできる人だ。
それでいて後輩にも細やかな気配りできるので、周囲の社員からも信頼が厚い。
自分にも後輩社員が出来たら、こんな先輩になりたいと思っている。
本人に直接そう伝えたことはないけど。(言ったらもっと調子づくだろうし)
甘えてばかりで申し訳ないと思いつつも、会議での出来事を早速話した。

「なるほどね、俺もそんな時期があったなぁ。気持ちはよく分かるよ。
 よし、じゃあ明日30分時間くれ。特別に俺がレクチャーしてやるよ。」

「え、いいんですか?」

「特別だぞ、ト・ク・ベ・ツ。そういやこの前、駅前に新しいお店できたの知ってるか?
 パスタが美味しいお店らしいけど、あぁ試しに行ってみたいなぁ。
 でも今月お金がピンチなんだよなぁ。どうしよっかな~。」

「分かりましたよ。レクチャー代はランチでお返ししますから。」

「おっ、何だか悪いね。でも強制したわけじゃないからな。
 あとでパワハラだっ!!とか訴えないでね。」

両手を合わせて頼むようにしながら、先輩は満面の笑みで言った。

「そんなことしませんよ。それじゃ明日お願いします。」

志村先輩は了解と言いながら足早に去っていった。

先輩と一緒にいる時間が長いせいで、
自分もマナミちゃんに冗談を言わないと気が済まない体質になったのかもな。

何だか冷静に自己分析している自分が可笑しかった。
さっきまであんなに落ち込んでたのに。。。

やっぱり先輩に話してみて良かった、、、かな。

次回予告

話上手はシンプルに話す!?

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