プロメンって……何?
え~っと、第4会議室はどこだっけと…。お、ここだ。ガチャ。
「遅いじゃない。会議まであと2分よ。余裕を持った5分前行動が相変わらずまだ身についていないようね。」
ドアを開けると同時に注意してきたのは、桜井マナミだった。
彼女は同じ新卒入社で同期の中でもとびっきりの美女……というわけでもないが、気が強くて遠慮なく物を言う天真爛漫さが僕には魅力的で、実はちょっぴり気になっている人でもある。
「ビックリしたー!まぁまぁ遅刻したわけじゃないんだから固い事は言わないでよ。
ていうかマナミちゃんも参加するの!?全然知らなかったよ。とりあえずよろしくね!」
「全く先が思いやられるわ。でもまさか加賀くんもプロメンに選ばれたとはね。」
プロ…メン……?聞いたことないな。よし、ここは一発。
「そうそう。ラーメン、つけ麺、僕プロメン、オーケー!!」
…
……
………
「はぁ~。本当に同期の恥だわ。なぜ上司が加賀くんを推薦したのか、今世紀最大のミステリーね。
一応教えといてあげるけど、プロメンは"プロジェクトメンバー"のことよ。」
またやってしまった。ついつい笑い路線に走ってしまうのは僕の悪いクセだ。
「あ、あぁ!!そっちのプロメンね。あっちのプロメンかと思ったよ。」
「あっちってどっちよ。さぁ、バカ話はここまで。そろそろ始めるみたい。」
プロジェクトメンバーに与えられた任務
それから佐々木部長の話は30分間続いた。
なるほど、プロジェクトの概要と背景は良く分かった。
どうやらこのプロジェクトは4つのフェーズに分かれて進行していくらしい。
第①フェーズ:情報収集
第②フェーズ:実施内容の検討
第③フェーズ:改善実施
第④フェーズ:レビュー会
「以上がプロジェクトの骨子です。このメンバーで約1年間、プロジェクト成功のため一丸となり頑張っていきたい。さて、まずは情報収集を進めていきたい。どのような業務ミスが起きているのか、それはなぜ起きているのかということを中心に、各自で情報を集めてきてほしい。情報収集のやり方は皆さんにお任せします。次回の会議は1ヶ月後に行いますので、そこで発表してもらいたい。皆さんの活躍に期待しています。本日はこれで解散とします。」
やり方は任せる……か。結構やらないといけないことが多そうだな。
徐々に自分の業務も忙しくなってきているし、最後までやり切れるか正直不安だ。
「部長の話、ちゃんと聴いてたんでしょうね?まずは情報収集。頑張ろうね!」
マナミちゃん。。。よし、まずはやってみるか!
次回予告
情報収集、先輩にヒアリングをしてみよう
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