商品にはライフサイクルがある。大きくは次の4つの期間である。
導入期 ⇒ 成長期 ⇒ 成熟期 ⇒ 衰退期
バブル崩壊までの成長期における右肩上がりの成功体験が抜けないのか、機能アップの競争がそのまま続いていた。
既に多くの商品が成熟期を向かえたなか、使われない機能、使えない機能がいっぱいの商品が溢れる。
素性の良い技術や商品はシンプルだ。素性の悪い商品開発では、つぎはぎだらけの状態になる。
ある技術的問題を解決すると、新たな問題が生まれる。
それを別の技術で解決するといった形で、構成が複雑になり作るのに苦労することになる。
発明やカイゼン提案の発想にも同じことがいえる。
アイデアを如何にシンプルな形に持っていくかが重要だ。
使いやすく、作り安いものに集中する。
結果、コストも下がり品質も上がるのである。
シンプルな形に持っていくときに有用な問いかけがある。
次の5つの発想チックリストにより多角的視点で考えるのである。
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1. 他の方法はないかと考える
この意識により別の妥協しない方法が考えだされる。ダイソンの羽根のない扇風機は概念を覆してシンプルな形を生み出した。
2. 小さくしたら、大きくしたらと考える
調味料の売り上げアップの課題に対して、容器の穴を大きくすることで一振りの使用量を増やし解決した。
3. 分割して考える
別な組み合わせが見えてくる。腕時計を太陽電池にすることで、メンテナンスフリーで防水も容易になった。
4. 数を減らすことを考える
パソコンなど電気機器は筐体の組み合わせ構造を変えることで、ネジの本数を減らしている。組立工数・コストの削減になる。
5. 逆にしたらと考える
発想の視点を変えることで新たな気づきが得られる。歯磨き粉のチューブはキャップを底にすることで、最後まで絞り出せるようにした。
シンプル・イズ・ベストの取り組みはデザインの良さにも現れる。アップル社のiPod Shuffleがそれだ。
シンプルだが実用的だ!
ガラケーといわれる日本の携帯電話市場へのiPhoneの出現は衝撃的であった。
これはシンプル・イズ・ベストの考え方を、ボタンのないデザインとともにもたらした成功事例といえる。
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