2015.09.11

”インターネット”の利便性と”辞書”という言葉の重さ~空海が編纂した日本最古の国語辞典~

あゝ人材教育!3分ななめ読み

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≪ウィキペディア、2010件の記述削除、報酬得て編集:Yahooニュースより≫
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150903-00000016-asahi-soci

【辞書は正しいという認識を覆す事態‼】

仕事で困った。あの情報が今すぐ知りたい。こんな時他の人はどうするの?・・・などなど

日常で疑問に思ったことがあればすぐにインターネットで調べられる世界になったが、その中でもフリー百科事典として知られる
「ウィキペディア」を利用する方も多いのではないか。

そんなウィキペディアで、企業から報酬をもらいその企業の利益になるようなことを書いていた人がいたというのだから、驚きを隠せない。

そもそもこのウィキペディア、“誰でも編集可能”というのを前提に、寄付で成り立っている。
そのようなシステムにつけこむ形で、恣意的な情報操作が行われているということになる。

確かにインターネットの匿名性を考えれば、利便性と引き換えに偽情報を掴まされる可能性も大きい。しかし、実際にはどうだろうか。
インターネットで情報を見たときに、「この情報は正しいね、間違っているね」と判断するだろうか。あまりに馬鹿げた内容であれば信憑性を疑うだろうが、ウィキペディアのように「辞書」という前提があれば、疑うことをすらしない人も多いのではないか。

それほど「辞書」や「辞典」という言葉は重く、日本人にとってとても信頼性の高いものとして認識されていると思う。インターネットの普及で、辞書の在り方も今後更に変わっていくのであろうか。

【空海も中国の辞書を参考にしていた?!】

日本で最古の辞書は、682年に完成した『新字』と言われている。
ただし、内容に不明点が多いため、空海が編纂した『篆隷万象名義(てんれいばんしょうめいぎ)』が現存するものでは最古である。
現在は京都の高山寺にあるものが唯一の写本だが、その希少的価値から国宝に指定されている。

日本最古の漢字辞典-というと聞こえはいいが、実はこの内容は中国の『玉篇』という辞書を要約したものと言われている。
つまり、この『篆隷万象名義』のオリジナリティは低いのである。

もととなる『玉篇』自体が現存しないので、『篆隷万象名義』の価値はそれだけでも高いといえるのだが、その一方で、あの空海でさえも他者が編纂した辞書を参考にしていたという事実は、普段ウィキペディアを参考にしている我々からしても、「今も昔も変わらないな」と少し親近感を感じてしまうのは私だけであろうか。

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