最近、子供が犬に触ることができないということをよく聞きます。
なぜでしょうか。
子供が犬に触る体験をしていないから?
そのような場を大人が提供していないから?
こんな疑問を抱えているとき、私はある男の子と出会い、ヒントを得ることができました。
今から1年半ほど前、子供連れの家族を対象としたイベント(玩具展示会)の、盲導犬啓発コーナーに
私がボランティアで参加していた時のことです。
その日は、4歳くらいの男の子が両親に連れられブースにやってきました。
すると、男の子は盲導犬の顔を見るなり「怖いから触れない」と言って、犬との距離をとってしまいました。
両親も男の子に犬を触る経験をさせたいと思って「怖くないよ」と何度も言い聞かせていましたが、
男の子は「怖い・・・」の一点張りでした。
なんとか怖いという気持ちを解消させたいと思った私は、
「怖くないように、まずはワンちゃんの背中をお姉ちゃんと一緒に触ってみよう。」
と言って、男の子と手をつなぎ、犬に近づいて優しく触れさせました。
すると、
「え!ワンちゃん怖くない!かわいい!」
と強張った表情から一転、男の子の表情が明るい笑顔になり、自ら優しく犬を撫で始めたのです。
このふれあいがきっかけで、男の子の心に驚くほどの変化が起きたように感じました。
つまり、“触ってみる“という行動がきっかけとなり、今までの「怖い」という気持ちが、
「怖くない」という気持ちへ変化したのだと思います。
人間だれしも日常の中で勝手に苦手意識を持ち、避けているものがあると思います。
この男の子が勇気を出して行動を起こし、結果として犬に触れるようになったように、
先ずは“やってみる”ことが自分の可能性を高める第1歩ではないでしょうか。
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