『何でこんなこともできないんだ』、『これは当たり前だろ!』、『近頃の新人はどうなっているんだ!』
仕事をうまく覚えてくれない新人や若手、勝手に問題を引き起こしてしまう人を前にして、こんなことを言いたくなるあなたの気持ちはよく分かります。それは決していい気分ではないことでしょう。
それでは、本当に新人たちはあなたとは違う人間なのでしょうか?
『ゆとり教育』のせいで人間は本当に無力化してしまったのでしょうか?
答えは『No』です。
実はゆとり教育が行われていた時でさえ、PISAの成績は上昇しているのですから。(落ちたのは順位。しかも現在はまた上位に戻っています。)
そうである以上、彼らが引き起こすミスの原因は全て『知らないこと』にあります。
とはいっても、この記事を読んでいるあなたが新人だった時には手取り足取り教えてもらった記憶はないかもしれません。(何を隠そう、私も先輩の背中を見て真似てきた記憶しかありません。)
しかし、人間が初めにできることはごくごくわずか。
言葉を話すことすら親や周りの人間にから学ぶ必要があるのです。
つまり、あなたが今できることのすべては以下の二つに分かれます。
1.誰かに教えてもらう
2.自分で気づく
人は自分が学んだことだけを使いこなせるようになります。ロボットも一緒で人間がプログラムしたことだけができることです。
人間とロボットの違いは『周りの物事に意味を見いだせるか』だけなのです。
もちろん、あなたにも『何かができるようになったきっかけ』は必ずあるのです。
かつて、『社判を赤い朱肉で押すなんて最近の新人はどうかしている!』という不満を聞いたことがあります。確かに社判は黒で押すべきということは、社内にある領収証を見ればわかることです。
しかし、気付きは『意識が向いているかどうか』で決まります。
つまり、どんなに当たり前でも意識していなければ気づけないのです。
だから、意識の外にあるものを『教わる』必要が出てきます。
あなたが新人の時どのようだったかを思い出せなかったとしても、学生がどのように世の中を生きているかはなんとなくわかるものがあると思います。それを基に『どんな常識が入っているのか』を見極め、適宜インプットしていくことが最も効率の良い教育だと考えられます。
『考える』という行為は『考え慣れている人』の特権なのですから。
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