差がつく組織の実行力(3)~戦略目標の具体化~
2016.09.27
ツイートビジョンを実現する組織化
自分の組織のビジョンがはっきりしたら、それを実行させるための組織化が必要になります。あなたの組織の中で誰と誰でチームを組んで解決に当たらせるかということです。管理職にとってありがちな間違いは、問題に気付き提起をしてくれた部下に、「言い出しっぺの君がやったらいい」と言ってしまうことです。
上司に問題を上申してくれたのに、無責任に本人に投げ返してはいけません。優れた管理職は、問題の本質を理解し解決しやすいように部下を動かすのです。これを部下たちの自主性に任せていては、問題が先延ばしされるだけです。
ここで行うべきは、問題解決にあたっての解決チームを組織し、その問題を考えさせて実行できるようにするということです。そして、管理職は、問題を部下に預けるのではなく、任せて任さずという精神を持って「責任は自分が取るから思い切ってやりなさい」、そして「進捗を報告してほしい」「いつでも相談しなさい」「見守っている」という管理方針を宣言します。これを伝えることで、部下たちは安心して問題解決に取り組めるようになります。
戦略目標を具体化する
もう一つ大切なことは、その問題解決の目標期限を決めることです。期限が定められておらず、「そういえば、あれはどうなった」と思い出したように確認するようでは、もうマネジメントは失敗しています。管理職は、誰がいつまでに、何を、どのような状態に、どういう方法と資金を使うか指示を明確にする必要があります。「よろしく頼むぞ」の一言で仕事の指示をするようでは、部下たちは困惑します。不明確な指示ほど、部下たちが困るものはありません。確認しようにも、そういう管理職に限って細かいことを質問しにくい雰囲気を醸し出しているものです。
大事な三つめの「きく」
聞くという言葉に、「聞く」「聴く」の違いがあることはよく言われるのですが、さらにもう一つ「訊く」という「きく」が大切です。前者の二つと違い、三つ目の「訊く」は、指示をした後、部下が正しく指示内容を理解したか、言葉で訊いて誤りがないかを確かめる作業です。これをやる、やらないでは後日にプラスとマイナスくらいの大きな差が出てきます。
日本語は、あいまいな表現も多く、上司と部下が、同じ認識であることを確認する「訊く」作業を怠ってはいけません。
こんな何気ない日常の繰り返しが、組織の実行力の差となって表れます。