人事教育担当者が知っておきたい教育予算の作り方
2016.05.04
ツイート教育予算をどう作るか
教育予算の作り方は、どのようにすべきでしょうか。予算は、企業ごとに違いますので、一概に、多いからいいとか、少ないとどうかとか、決められないものです。そもそも、多いのか少ないのか、決めにくいのも事実です。前年よりも増やすのか、減らすのか、あるいは、強化したいから、増やすのか。それとも経費節減したいから、教育にかかる費用も減らしたいのか、企業の置かれる場面ごとに千差万別でしょう。
教育担当者としては、どのようにとらえるべきなのか、わかりやすい一つの考え方を述べてみます。
教育に掛かる年間の総経費はいくらなのか。これは簡単に出ています。前年度実績の総額です。これを総従業員数で割ってみましょう。総額としては、多く感じても、一人あたりに直してみると、企業にもよるでしょうが意外と少ないのではないでしょうか。従業員一人に教育のために、いくらくらいは使うと考えると、教育費総額が多いのか少ないのか、イメージができてくると思います。
自分が経営者なら、総売り上げがいくらで、教育にはいくら使うだろうかと考えてみるといいでしょう。もしかすると、「何割削減」といった目標が経営者や経理部門から先に出てくるかもしれませんが、全体金額に対する考え方は、増やすにしろ、減らすにしろ、どうするのかが重要なところです。
目指すべき総枠の予算が決まったら、その範囲内で、必要な研修を組み立てていくしかないのですが、総枠予算からではなく積み上げで議論していいなら、もっと楽かもしれません。しかし、この場合は、企業として人材育成に力を入れたいのか、今年は一息入れて節約したいのか、見えにくくなるかもしれません。
一方、一つひとつの教育プランに目を向けてみると、費用の掛け方は融通が利くのではないでしょうか。企業内講師ではなく、外部の教育専門会社に委託する、その他、コンサルティング会社に調査を依頼するなどした際は、思ってもみない見積りになることもあるはずです。この場合、必ずしも投じた費用と効果が比例するならば良いのですが、そうとは言い切れないのが難しいところです。しかし、何でも、安かろう悪かろうという側面も現実としてはあることが否めない事実かもしれません。
何に的を絞って費用を投じるか
例年通りの、外せない教育にいくら掛かっているかということと、結局、一番力を入れたいことは何なのか、このことが最大の重要ポイントになるでしょう。経営的には、何にアクセルを踏んで、何に対して、ブレーキを踏むのか、企業を取り巻く環境や、自分の企業の立ち位置によっても、変わってきますが、企業の抱える課題に沿って、直接人材にアプローチするべき問題と関連づけて育成していくべきでしょうから、全体計画の中でも、経営者とよく意思疎通を取りながら、「今年の目玉は何である」という狙いを定めるとよいでしょう。そして、その目玉を、どのくらいの期間ととらえ取り組んでいくのかも、明確にしておくとよいでしょう。