あの有名な○○も実は発症していた?!「インポスター症候群」とは
2023.11.20
ツイートインポスター症候群とは
普段の業務において順調に進んでいる、成功しているのにもかかわらず、
自身を必要以上に過小評価してしまう心理傾向・自己不信感を持っている状態を指します。
客観的に見ると「謙虚な人」に見えます。
しかし、当人には周りが思っているよりも複雑な心情を持ち合わせているのです。
インポスター(impostor)とは詐欺師やペテン師を意味する言葉で、
「詐欺師症候群」とも呼ばれており、自身の成功は評価されるに値しない、
人を騙しているように思ってしまい、評価されることを重荷と感じてしまうのです。
この症候群は男性よりも女性が発症しやすいとされており、
特に高いキャリアを築いている人や聡明な人・高度な専門職に
就いている人に認められやすいと言われています。
偉人のエマ・ワトソンやシェリル・サンドバーグ、
故人だと夏目漱石やアインシュタインがインポスター症候群だと公表しています。
7割の人がこの症状に悩む
対策するには
・完璧を求めない
「〇〇を達成しなければならない」という考え方が強く、
完璧主義の傾向がある場合、それがインポスター症候群の特徴となります。
この傾向では、他人だけでなく自分にも非常に厳しい基準を設定します。
思い描いた目標が達成できない場合、自己を責める傾向があり、
それが原因で自分を受け入れることが難しくなり、自己嫌悪に陥りがちです。
自己嫌悪が強まると、自己評価が低くなり、
「自分は十分でない」という感覚が強まり、
それがインポスター症候群の悪化に繋がる可能性があります。
従って、インポスター症候群を克服するためには、
完璧さを求めず、自分を受け入れる姿勢が欠かせません。
・自身を褒める
インポスター症候群の人は一般的に「自分には価値がない」という信念を持ち、
そのため他人からの賞賛や褒め言葉があまり効かないことがあります。
逆に、褒められた場合でも、それが自身をだます手段であるかのように感じ、
罪悪感を抱くことがあります。
根本的な改善のためには、自分で自分を褒める態度が重要です。
自分を褒めることは、自分を受け入れるというプロセスにつながります。
自分を認めることで自己信頼が向上し、他人からの称賛を受け入れやすくなります。
称賛を受け入れることで、自分の努力や実力が成功に繋がっているという認識が生まれ、
日々の業務に対する自信がついていくでしょう。
・ポジティブになれる環境をつくる
インポスター症候群の人は、「自分はダメだ」とか「自分には価値がない」
といった否定的な感情に悩むことがあります。
この状態を克服するためには、ネガティブな感情を最小限にし、
積極的な感情を抱くことが理想です。
ネガティブな感情を軽減させるためには、
ポジティブな雰囲気の中に身を置くことが有効です。
ただし、自分を褒めることで罪悪感を感じる傾向があるインポスター症候群の人は、
急にポジティブな環境に飛び込むことに遠慮することがあります。
そのため、自分でポジティブな環境を築けるようになるには、
「インポスター症候群はつらいものだ」とか「改善することで良い変化がある」
といった認識を持つことが不可欠です。
企業が行うべきこと
・否定しない環境づくり
インポスター症候群の人は、成功を恐れ、他人の称賛を受け入れにくい傾向があります。
ただし、本人を否定することは逆効果で、
否定されると「自分はダメだ」という歪んだ認識が強まり、
自尊心が低下して挑戦を避けるようになります。
したがって、企業担当者は「否定しない」環境づくりに注意を払う必要があります。
企業が否定しないと理解されれば、徐々に個人の成功を受け入れる可能性があります。
従業員が挑戦した場合、結果にかかわらずその行動を褒め、
指摘が必要な場合でも肯定的な言葉を交えながらコミュニケーションを図ることが重要です。
・1on1の実施
インポスター症候群の人は、自尊心が低く、自分には価値がないと感じがちです。
この状態を改善するためには、1on1の面談が有益です。
1on1は、「1人に対して時間を確保する」姿勢を示すことで、
企業がインポスター症候群の人を大切に思っているという気持ちを伝える手段となります。
さらに、定期的に1on1の機会を設け、本人の悩みや不安を聞き出すことで、
具体的な問題点を把握できます。
これにより、不安を共有し、一緒に解決策を見つけることができ、
結果としてインポスター症候群の人が安心して働く環境が整います。
この安心感は、上司や企業に対する信頼感を育み、
信頼できる環境で働くことでストレスの軽減が期待されます。
上記2点を意識した職場づくりをすることで、インポスター症候群の緩和・改善につながります。
できることから少しずつ意識してみてはいかがでしょうか。