真の営業力について(4)~信頼は本気から~
2016.09.14
ツイート信頼は本気から生まれる
前回の「真の営業力について考える(3)」では、信頼は実績を積み重ねていくことで生まれる旨をお話しました。
そんな仕事の進め方で大切なことは、一本の筋の通った本気度です。
仕事に対して、真剣に取り組み本気でお客様に向き合えば、できる仕事の内容が変わってくることがあります。
一昔前、ある部署の一担当者だった頃、借りている倉庫を急に片づけなければいけない状況になりました。
仕事を行ってくれるのは、廃棄物処理業者なのですが、当の業者にも予定はあり、普通なら断られてもおかしくありません。
「どうしても、その日に片づける必要があります。何とかお願いできませんか。」という私の無理難題に、若い専務さんが1秒考えて、「わかりました。では、午前4時に参りましょう。」と、二つ返事で引き受けてくれたのです。まさに、窮地を救ってくれた瞬間でした。
一日の業務量をはるかに超える仕事を、誰も起きていない時刻に部下を動員して行ってくれるということです。
私はこの時、世界がその瞬間に色を変えるくらいの衝撃を受けました。真剣に顧客に向き合い、顧客が困っていることに常識外の一手で見事にこたえてくれたのです。まさに、本気で仕事に向き合うプロフェッショナルの仕事です。
さらには、深夜だとか、時間外だとか、割増しになるとは一切言わずに引き受けてくださいました。
一企業人として一生忘れることのできない、感動の瞬間でした。
常に理想を追い求めて、長い間、最高の品を作り続けてきた刀鍛冶や、1000年の時を超えて木という素材を生かし、建物を生かし続けていく宮大工のように、真剣に仕事に向き合う日本の精神は、こんなところに息づいていると思われます。
本当のプロで、手抜くことなく真剣に仕事に向き合う本気度を備えていれば、顧客はすぐにわかります。
この「本気」には、一瞬で顧客を獲得し、ファンにしてしまう強さがあります。
サービス品質として最高の要素と言えるでしょう。