【ハ行:ピグマリオン効果】
「人は期待をされる事により、動機づけされ成果を出す傾向がある」とした心理的行動の1つ。ロバート・ローゼンタール(教育心理学・アメリカ)によって1964年に提唱された。教師期待効果とも言う。
ローゼンタールは、
サンフランシスコの小学校で、ピグマリオン効果の実証実験をして論文を発表しましたが、
この実験結果は再現性が疑われていて、論文としては根拠が薄いと言われています。
また、学習者の好奇心や向学心などの自発性が無視されているとして、
批判的な意見もあるようです。
けれど、他人に期待されたら「頑張ろう」と思うのが一般的です。
論文の信ぴょう性はともかく、ピグマリオン効果、体験的に納得ができます。
OJTトレーナーや部下育成研修では、
「叱る」ことと同様に「褒める」ことが難しいという声を耳にします。
叱るも褒めるも、お子さんのいらっしゃる家庭では毎日のことかもしれませんね。
でも対社会人ではそう頻繁に起こる場面ではありません。
とくに褒めるについては、
思わずのミスを叱る(叱られる)事が多いのが普通なのでしょう。
後輩や部下の頑張りを認めて、たまには褒めてあげましょう。
では、褒めれば人は育つのか?どうも一概に言える事ではないようです。
適正な褒め方がありますし、褒められる側も人によって感じ方が違います。
褒められて嬉しいか、やる気が出るかは人それぞれ。
“天邪鬼”や“お調子者”はどの社会にもいるものです。
さて褒め方。
「プロセスや成果を具体的に」 がセオリーですが、その基準が公正であるかはもっと重要です。
“基準が公正”とは、「褒める側に自己中心的な思いがないか」という事です。
例えば、ピグマリオン効果の批判の中には、
「期待する相手だけを優遇すること(=依怙贔屓)を助長する」という意見があります。
生徒や部下など、褒めようとする対象が複数いる場合は、注意しなければなりません。
また、自分に都合の良いことだけを褒めるのも公正ではありません。
これをしてしまうと、仕事の目的が曖昧になる上に、
上司と部下の関係に不自由さが生まれます。
「よくやった」「ありがとう」の一言も、
人材育成を意識するならば、相手をみて戦略的に且つ誠実に伝える必要がありそうです。
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