2026.01.30

「真面目に働く」だけでは足りない?若手が知るべき利益を生む数字の読み方

あゝ人材教育!3分ななめ読み

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はじめに:なぜ、今こそ若手に「計数感覚」が必要なのか

「うちの若手は一生懸命働いているが、コスト意識が希薄だ」 「売上の数字は追っているが、その先の利益や構造まで理解できていない」

人事・教育担当者の皆さまから、このような課題を伺う機会が増えています。かつてのように、与えられた役割を指示通りにこなせば組織が成長した時代は終わりました。市場環境が激変し、不確実性が増す現代において、企業が生き残り、成長し続けるためには、一人ひとりの社員が「自分たちの活動がどう利益に繋がっているのか」を理解している必要があります。

特に新入社員や若手社員にとって、入社直後に身につけるべきは、単なるビジネスマナーやPCスキルだけではありません。自分たちの給与がどこから発生し、会社が継続するためにどれだけの利益が必要なのかという「ビジネスの全体像」と「計数感覚」です。

本コラムでは、若手社員が「作業者」から「ビジネスパーソン」へと脱皮するために不可欠な、利益を生む人の「数字の読み方」の本質を、人事・教育の視点から徹底解説します。


第1章:数字に強い人、弱い人の決定的な違い

「数学が苦手だから、自分は数字に弱い」と思い込んでいる若手社員は少なくありません。しかし、ビジネスで求められる「数字に強い」という状態は、計算能力が高いことと同義ではありません。

1. 数字を「結果」ではなく「行動の鏡」として捉える

数字に弱い人は、売上やコストの数値を単なる「動かせない結果」として眺めます。一方で、利益を生む人は、数字を「自分たちの行動の結果が数値化されたもの」と捉えます。数字が変わったとき、その裏で「誰がどう動いたからこの数字になったのか」という因繹関係を想像できるかどうかが、最初の分かれ目です。

2. 「大きな数字」と「小さな数字」を行き来する

全社の利益目標という大きな数字と、自分の目の前の一件の受注、あるいは一枚のコピー用紙といった小さな数字。この二つがどう繋がっているかを感覚的に理解できているのが、計数感覚のある状態です。この「視点の往復」を教えることが、若手の視座を高める鍵となります。


第2章:若手が押さえるべき「ビジネス数字」の3つの基本

早期に身につけさせたい、利益の構造を理解するための基本コンセプトを整理します。

1. 「売上」と「利益」は全く別物である

新入社員が最初に陥る誤解は「売上が上がれば、会社は儲かる」という短絡的な思考です。売上から原価や経費を引いた「利益」こそが、会社の存続と自分たちの給与の源泉であることを徹底して教え込む必要があります。この基本が抜けていると、「値引きをしてでも売上を上げればいい」といった、会社にダメージを与える行動に繋がりかねません。

2. 「コスト」の正体を知る

オフィスを借りる家賃、電気代、そして何より自分たちの「人件費」。これらがすべてコストとして利益を削っていることを理解させます。特に「自分の1時間の単価」を意識させることは、ダラダラとした残業を減らし、生産性を高めるための最も効果的な教育です。

3. 「投資」と「回収」のサイクル

会社が新しい設備を買ったり、広告を出したりするのは、将来の利益を生むための「投資」です。この投資がいつ、いくらになって戻ってくるのか(回収)という視点を持つことで、若手は単なる「経費削減」を超えた、攻めの数字の読み方ができるようになります。


第3章:人事・教育担当者が直面する「数字教育」の壁

若手に数字の重要性を伝えようとしても、なかなか浸透しない現実があります。そこにはいくつかの構造的な壁が存在します。

専門用語という高いハードル

「PL」「BS」「損益分岐点」「変動費・固定費」。財務の専門用語は、若手にとって外国語のように聞こえます。用語を暗記させるのではなく、「お小遣い帳」や「アルバイト時代の経験」など、彼らの身近な体験に置き換えて、構造として理解させることが不可欠です。

「自分には関係ない」という当事者意識の欠如

特にバックオフィス部門や技術職の若手は、「数字は営業が追うもの」と考えがちです。しかし、すべての職種が利益に貢献しているという事実を、職種ごとの「数字への貢献ルート」として明示する必要があります。


第4章:計数感覚を「習慣」に変えるためのアプローチ

知識として知っている状態から、無意識に数字で考えられる状態へ。そのための教育手法を提案します。

定量的な報告を徹底させる

「たくさん売れました」「頑張りました」といった定性的な言葉を禁じ、「前年比〇%増です」「達成率〇%です」と、常に数字で語る習慣をつけさせます。数字で語ることは、共通言語で話すことであり、周囲との合意形成をスムーズにする武器にもなります。

現場の「リアルな数字」に触れさせる

研修用の架空の数字ではなく、可能な範囲で自社の過去のデータやプロジェクトの収支に触れさせます。「あのプロジェクトがあれだけ大変だったのに、利益はこれだけだったのか」というリアルな衝撃こそが、何よりの教育になります。


第5章:計数感覚が育む「主体性」と「キャリア観」

数字が読めるようになると、若手社員の行動は劇的に変わります。

自分の仕事がどれだけの価値を生んでいるのかが可視化されることで、仕事に対する責任感が生まれます。また、会社の財務状況を理解できるようになれば、「会社が自分に何を期待しているのか」を経営的な視点から推測できるようになり、キャリアに対する主体性も高まります。

数字の読み方を教えることは、単に計算が得意な社員を作ることではなく、自律して考え、組織に貢献できる「ビジネスパーソン」を育てることに他なりません。


まとめ:数字は、プロとして自由に羽ばたくための地図

数字を「縛り」と感じるか、「自由を得るための道具」と感じるか。そのマインドセットが、若手のその後の成長スピードを決定づけます。

数字という客観的な指標を使いこなせるようになれば、上司や顧客に対しても論理的な提案ができるようになり、自分のやりたい仕事を通す力も身につきます。計数感覚は、若手がプロフェッショナルとして自立するための、最強の「地図」なのです。

人事・教育担当者の皆さま、明日からの研修や指導の中に、ぜひ「数字の裏にあるストーリー」を読み解くエッセンスを加えてみてください。


早期にビジネスの全体像を習得する!「数字の読み方」研修スライド

今回のコラムで解説した「売上・利益の構造理解」や「コスト意識の醸成」を、新入社員・若手社員へ向けて体系的に伝えたい。そんな人事・教育担当者様に最適な、プロ仕様の研修スライドをご紹介します。

■ 利益を生む人の「数字の読み方」研修スライド

https://manabislide.base.shop/items/129461883

この研修スライドは、財務の専門知識がなくても、ビジネスの基本となる数字の仕組みを直感的に理解し、日々の行動に結びつけることをねらいとしています。

  • ねらい: 利益を生み出すための「数字の読み方」の基本を習得し、ビジネスの全体像を捉え、自らの業務が収益にどう貢献するかを理解する。

  • 体系的な学び: 損益の構造、コストの正体、投資と回収の考え方など、ビジネスパーソンとして必須の計数感覚を、教育効果の高いスライド構成でまとめられています。

  • 柔軟なカスタマイズ: PowerPoint形式のため、自社のビジネスモデルや業界特有の指標に合わせて、スライド内容を自由に調整可能です。

「真面目な作業者」から「利益に貢献するビジネスパーソン」へ。若手の視座を一段引き上げ、組織の成長スピードを加速させるための教育ツールとして、ぜひご活用ください。

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