あなたは、従業員の皆が前向きで、最大限に能力を発揮して、自主的に働いて活躍していける組織マネジメントに挑まれていることでしょう。しかし、現実の社会には、そんな上からの期待を見事に裏切ってくれる従業員も存在するものです。
意図的に協力をしてくれないのではなく、人間というもの、体調も心身の不調もあり、いつも全力投球できるとは限らないものです。たまには、心も風邪を引き、長期休業に入ってしまう従業員もいます。最初から、高すぎる期待をしてしまうのは考え物です。したがって人材育成は、ある意味で緩慢に期待をしつつ、部下がパフォーマンスの最大に近い力を発揮してくれるようになること、それぞれの立場で得意ジャンルを生かして、働き甲斐を持って一所懸命でいてくれることが理想です。
では、そのために行うべきことは何かを考えてみましょう。
(1)部下を知る
まず行うべきは、部下の人となり、考え方、経験と、できること、やりたいことを面談によって把握することです。そして、仕事に対して、どのような心構えでいるのか、これも大変重要な要素です。
(2)上司としての自分も知ってもらう
部下たちが、上司である自分のことを知ろうと努力してくれると思うのは、甘い期待です。あなたの考えは、言葉にし、文字にし、図案にしてあらゆる手を尽くして伝えなければわかってもらえません。このことを、たいていの管理職は、意外と疎かにしているのではないでしょうか。年初あるいは、年度始めに一度だけ方針を伝えて、終わりということはないでしょうか。ましてや、人事異動によって途中で、上司として交代になることもあります。そうした期の途中では、方針や計画は前任者の作ったものを、とりあえず踏襲することが多々あるものです。そんな時でも、前任者の作ったレールに甘えることなく、自分の考えを表明し理解してもらう必要があります。しかし一度の説明で理解してもらおうと思ってはいけません。機会あるごとに、あなたの考えを話して、活字にして、伝える努力をしなければなりません。部下が上司の考えに納得し把握してくれると、指示をしなくても、動いてくれることだって大いにあります。
(3)部下を最大限、かまい、能力を発揮してもらう
部下を「かまう」ということが重要です。仕事の指示だけして、あとは何も会話しない、自動的に動いてくれるだろうなどと思ってはいけません。何気ない挨拶や、雑談こそが人間関係に重要なことは、同僚同士でも言えますし、上司と部下という、上下の関係であったとしても何ら変わるものではありません。あなたは、部下に責任を持ち預かる身ですから、同僚以上に、それこそ、「親身」に部下のことをかまって、把握し、適材適所において、励ましながらも、イキイキと働いてもらえるようにしたいものです。それでこそ、人材活用というものです。
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