訓練とは何か
多くの企業では「教育訓練」と続けて呼ぶことも多く、何でも一緒になって言い方を変えただけの言葉ですが、”教育”と”訓練”には違いがあります。このことをしっかりと理解しておかないと、ただ闇雲に「社員研修」について企画し、その継続に尽力したとしても、ヒトを大きく変えていくことはできません。
例えば、世の中でよく使われる防災訓練や避難訓練という言葉があります。こういった訓練では、全員が参加者であるといった設定を条件にとにかく終始動くことに徹することからも行動訓練と言い換えることができます。行動訓練の場合、動くことに徹するので、座学がセットされており、知識を獲得するといったことは皆無であり、教育との明らかな違いはこの部分です。
【訓練の特徴】
・ 身体を実際に動かし体験を通じて、所定の行動ができるようになる。
・ 訓練に参加しているだけで、知らず知らずのうちに、身体が勝手に覚えいく感覚が発生する。
・ 訓練には個人の判断は求めていない性質を含んでいる。
訓練を仕事(の進め方)に当てはめてみると、特に個人の判断を求めていない性質を含んでいるとなると、現場で瞬時の判断が必要とされるビジネスとは幾分かき離れている印象を受けるかと思いますが、実はそんなことはないのです。
新入社員にとって、学生時代には使わなかったビジネスマナーやビジネス文書など、学生の時には出来なかったことを、繰り返し教えて練習させて、実地に活かすのも訓練の一つです。
ヒトを育成する方法として”教育”と”訓練”の二つの方法があり、それぞれに違う役割を果たしているのです。
1. 教育 / 机上で仕事の進め方を理論的に教えること。
2. 訓練 / 教えたことを身体を使って、実際の行動が出来るようにすること。
社員研修を考える際には、この”教育”と”訓練”を要素として使い分けなければ、人を変えることは難しいのです。
では、”教育”と”訓練”を実行すればヒトは出来るようになるのであろうか?この問題を紐解くヒントとして、山本五十六(太平洋戦争時には、連合艦隊司令長官として真珠湾攻撃を指揮した人物)のヒトを動かす有名な言葉があります。
『やってみて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ』
この言葉をよく考えてみると、他人様にただ動いてもらうのではなく、「他人を、自分の思い通りに動かす」ということは誠に難しいものだと意味していることに気づきます。その意味では、随分わがままな言葉でもあります。また、ヒトに教えて、出来るようになるまで苦労している様子が伝わってきます。
いわば”訓練”とは、この言葉の「させてみて」に当たるものなのです。教育し訓練したとしても、そう簡単にヒトは動いてくれないのです。そして、「ほめてやる」という箇所にひとつの大きなポイントが存在しますが、単純にほめるだけでヒトは出来るようにはなりません。
次回、もう少し掘り下げてみたいと思います。
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