2016.10.06

人事の仕事(5)~成果を残す~

あゝ人材教育!3分ななめ読み

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成果を残す

人事部門の一人として、部分的な仕事を着々とこなしていくだけでは、誰がやっても同じような仕事と言えないでしょうか。仕事の仕組みを作って、長く人事制度として役に立ち続ける仕事をしましょう。運動選手と違って、一人の仕事で完結する仕事でもないわけで、個人で目立たなくてもよいのですが、仕事の成果が見える仕事をぜひしたいものです。

改革を仕組みにする

たとえば、以下のような課題を解決していく仕組みを作りましょう。

【定年延長】
年金の65歳支給開始という時代の制度の中で、どのように企業の雇用をとらえていくのか、たいていの企業が採用する「60歳定年」と「再雇用の嘱託」という働き方でよいもか、60歳までゴールしたものの、賃金と責任は減らされ、ただ、5年間居続けるだけという仕組みでよいのか。アメリカの企業には定年がありません。この差は何か。

周囲の企業が採用するから似たようなことを当社も行うということでは、何の知恵もありません。人事こそ、社員がどのように働いていけば、やりがいと、企業力の強さとを両立できるのか、そして、企業年金とどのようにつなげていくのか、非常に大切な制度設計です。この問題を人事が考えず、一体誰が考えますか?たいていの企業が有効な策を打ち出せないならば、そこには、大きな差別化を図るチャンスがあると思われます。

【休暇の取りやすさ】
年次有給休暇は取りやすいでしょうか。日本では、平均何日取れているというレベルが関の山ですが、欧州では、このような質問自体がはばかれます。まだまだ、日本人は、遠慮深く自分を犠牲にしながら働いているのです。

休暇を取りにくい風土を変革していくのは、ほかならぬ人事部門でしょう。これも、人事が叫ばなくては一歩も前に進みません。もちろん、経営者に理解とやる気がなければ進めることもできない大きな問題ですが、この問題に目を背けるのは、人事部門として、あきらめているといわれても仕方がないのではないでしょうか。

人事マンは社員のために働くべくして働いて、どんどん、先駆者になっていけばいいのです。

【女性の活躍】
「女性が活躍できる社会」という国で進める政策がありますが、国が旗を振っても、企業は応えきれていないのではないでしょうか。急に女性全員が目まぐるしい活躍を始めるようになるのは難しくても、たとえば、シングルマザーという立場になったとしたら、その場合にも、やりがいのある仕事を続けることができて、子育ても両立していける世の中にしなければ、日本の繁栄はありません。

この分野でも、人事が頑張らなければ理想はありません。育児休業や企業内託児、在宅勤務の制度など、自分が骨を折って作り上げたと言える企業内の制度を一つひとつ作っていきましょう。前に向かって、一歩を踏み出しましょう。どこかで誰かがやってくれるのではなく、人事が道を作るのです。

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