2016.09.30

人事の仕事(1)~平均的な仕事でよいのか~

あゝ人材教育!3分ななめ読み

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人事の毎日

企業に入り、人事に配属されると、右も左もわからないながらも、先輩を見習って、忙しい業務が始まるでしょう。そして、ある程度の、充実感も覚えながら、あわただしく月日が過ぎ、日の当たる職場で、企業の全体を見通しながらも、社員の名前をフルネームで覚えることが自然と毎日の仕事になります。

自分は、良い仕事をしているという自覚も芽生え、平均的な仕事はできるようになります。サラリーマンの月日の流れは驚くほど速く、あっという間の10年、20年です。その間、ずっと、人事の畑にいるとは思えませんが、人事という組織は長く続いていきます。

人事として働くにあたり、本当に大切なことは何でしょうか。組織が大きければ大きいほど仕事が細分化されて、人事部の果たす役割が見えにくくなるのも事実です。そこで、「人事として働く、本当に大切なこと」について述べてみたいと思います。

平均的な仕事でよいのか

落とし込むべき仕事の到達点はそれぞれにありますが、とかく人事総務の仕事と言うと、従業員一人ひとりの労務問題や、相談など、形の定まらない仕事が多いものです。そのような非定型の仕事と定型の業務を繰り返し、日々の仕事を粛々と間違いなくこなしていくことも人事にとっては大切です。

そんな時、意識してほしいのは、人事の仕事は、国内の様々な会社が採用する平均的な仕事が実に多いということです。他の企業の水準と自社を比較し、外しすぎず、全く同じにならずといった当たり障りのない、似た仕事をしているということです。人事業務は、法律により推進するものや、厚生労働省や経済界の主導する業務の路線というものがあり、どうしても、平均的、すなわち、言葉を変えると凡庸な制度を作ってしまいがちになります。

たとえば、現代は「ワークライフバランス」といった、充実したオンとオフを過ごせるようにという旗振りがあります。裏を返せば、そのような働き方の出来ていない企業が多いということです。日本人は、非常に横並び意識が強く、同業他社が取り組むから当社も取り組むという選択をしてしまいがちです。小学校のころから、「右へならえ!」と教えられているのですから、この辺が得意なことは否めない事実です。

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