超!高齢時代の組織開発(7)~後進の育成手法Ⅰ~
2016.12.13
ツイート再雇用なり定年延長なり、60歳を超えて働く場合、一人で何か淡々と作業して、ただいるだけという状態は避けなければなりません。周囲の働く気持ちが消沈してしまいますし、本人にとっても、明確な役割と仕事がない毎日にはやりがいを感じることができません。
ノウハウをマニュアル化
① 文書にする
長年の現役生活でしか知ることができない、仕事上の困難と、それをいかにしてクリアしていくか、また、よりよい成果を上げるための勘やコツ、安全に衛生的に仕事をするために注意すべきポイントなどが相当あるはずです。
そういった、ノウハウ、ドゥハウをより具体的な手順で正しく導けるように文書化します。
いわゆるマニュアル作りです。この際に、大切なことは、他人が読んで理解しやすいものに作ることです。
いわゆる、伝承というもので、ベテランの味のようなものを、若い世代が把握できるように作成します。
一人で作成するより、後輩とペアもしくはグループを組んで作成したものを、第三者の目で評価検討し、
使えるものに改善していきます。
業務の詳細な手順、そして、手順をおろそかにすると起こりやすい現象はなにか、また、注意事項を織り込みます。年齢が10〜20年も異なると、使う日本語さえ違うことがあり、伝えたいことが伝わらないという現象が少なからず起こります。そういう不具合を解消するためにも、できるだけ多くの人の目で確認し改善していくとよいでしょう。
② 映像化
マニュアルに加え技能を伴う場合、実際の仕事ぶりを映像にして記録するのもよい方法です。
以前は、映像化することは専門的知識が必要でしたが、最近のIT環境では、実に簡単に映像に残し文書に織り込むことができます。しかし、たいていの場合、ベテラン社員は、このような記録作業が苦手な場合が多いものです。企業である以上、一人の作品で完結する仕事はほとんどないわけですから、これこそ、各年代の知恵と技能を組み合わせて、最高の効果を表したいものです。
これらを、組織の仕組みにすることが重要で、ただ一時だけ、誰かが作成したということでは、企業の強さが伝わらず、末永い繁栄は望めないのは誰もが経験していることです。
こうした組織の方向性は、できるだけ関係者全員で議論して見出していかなければ、ただ、いたずらに時だけが経過し、混とんとした事業形態が続いてしまうことでしょう。いつの時代も、全員の思いを調和させるコミュニケーションが必要です。