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読書マニアE氏の推薦ビジネス書

孫子 ~最高の勝利を得るための指南書~

2020.02.27

現代ビジネスにも活かせる中国最古の兵法書

最近は夜な夜な横山光輝の三国志を読んでいるE氏です。

三国志には諸葛亮孔明や龐統、徐庶といった名軍師が数多く登場しますが、
彼らの多くはその時代よりもさらにずっと前、紀元前500年頃の中国春秋時代
誕生した兵法書を読んで勉強していました。

その中でも最も著名な兵法書の一つとされるのが『孫子』です。
今回はそんな過去の偉人の叡智が凝縮された一冊を紐解いていきましょう。

著者:孫武(または孫臏との説も)
訳:金谷 治
出版社:岩波文庫(2000年4月発売)

要約

兵は詭道なり
 戦争とは騙し合いである。本当はできることでもできないように見せかけたり、
 必要であっても必要でないフリをする。弱者が強者に勝つとは相手の裏をかくことであり、
 勝てる戦いに持ち込むことこそ戦争の本質である

一に曰く道、二に曰く天、三に曰く地、四に曰く将、五に曰く法なり
  道=民の心、天=自然のめぐり、地=地形の状態、将=人材、法=軍規
 これらを無視した勝ちなどありえない

兵は拙速を聞くも、未だ巧の久しきを睹ざるなり
 戦争が長引いて国家に利益をもたらしたことはいまだかつてない

およそ兵を用うるの法は、国を全うするを上となし、国を破ぶるはこれに次ぐ
 敵国を傷つけずに降伏させるのが最上の策であり、打ち破るのは次善の策

善く戦う者は、勝ち易きに勝つ者なり
 戦上手は勝つべくして勝つ

戦いは、正を以って合し、奇を以って勝つ
 戦いとは正攻法で相対して奇策で勝つこと
界は単純ではない

●善く戦う者は、人を致して人に致されず
 戦上手は自ら主導権を握り、相手のペースに乱されない

E氏の私見

古典的名著として知られる孫子ですが、やはり名著というだけあって、
短い言葉の中に智慧がこれでもかというくらいにギューっと入っています。
原文が素晴らしいことは言わずもがなですが、訳もまた頭にすっと入ってくるような
滑らかな現代文となっているため、漢文に苦手意識がある人でも難なく読めるでしょう。

孫子は原書のみならず現代でも多くの作家が個人的な解説を付記したビジネス書を
出版しています。例えば、守屋 洋さんの『世界最高の人生戦略書 孫子』などがそうで、
孫子の名言や重要ポイントをピックアップして、
現代社会をどのように生き抜いていくかを語ってくれています。

さて、なぜここまで時代を超えて成功者、経営者、リーダーなど多くの人に愛読されるかといえば、
それは孫子が競争状態における原理原則、本質をついているからだと言えるでしょう。

孫子は兵法書なので、基本的には戦争に勝つための考え方や指針が書かれているのですが、
戦争とは他者との競争であり、詰まるところビジネスの根本と何ら変わりありません。
その競争勝負に勝つためのエッセンスが孫子には凝縮されているわけですから、
みな読んでおかない手はありませんよね。

私が個人的に一番の感銘を受けたのは何と言っても
およそ兵を用うるの法は、国を全うするを上となし、国を破ぶるはこれに次ぐ
という一文です。

勝負事となると人間だれしもいかに相手をボコボコにしてやるかと考えがちですが、
その考えは二流の策である。相手を傷つけずに戦う気力を失せさせて降伏させることこそ
最上の策なのだと言うのですね。

確かにこれは全くもってその通りで、相手をボコボコにすれば恨み、憎しみの遺恨が残ります。
形としては勝利と言えるでしょうが、相手は心から屈したわけではありません。
体制を整えてから再戦を挑んでくる場合もあるし、闇討ちで復讐されるかもしれません。
相手を真に屈服させるためには、心の底からこの人には敵わないと思わせねばならないのです。

では、どうすれば相手にそう思わせることができるのでしょうか?

その一つの手段が相手の手の内を徹底的に探ることだ、と孫武は言います。
相手が何をしようが、何を考えようが、その全てが筒抜けでは、どんな奇策であっても通用しません。
策が通用しないのであれば、戦うまでもなく勝負の行方は誰の目にも明らか。

これをビジネスに置き換えるなら、事前準備つまり情報収集や根回しを怠るなと言えるかもしれません。
有能なビジネスパーソンほど、大勝負の前には用意周到に抜かりなく準備をしているもの。
きっとその人も孫子を読んだことがあるのでしょうね。

他にもビジネスで使える叡智がたくさん詰め込まれていますので、
まだ読んだことがないという人は手に取ってみてはいかがでしょうか。
それでは、また次回をお楽しみに!

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